メトシェラ
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メトシェラ(メトセラ)は旧約聖書の『創世記』では、エノクの息子で、かつノアの方舟で有名なノア (聖書)の祖父として登場する。メトシェラは創世記に記述された登場人物の中で最も長寿で死亡した人である。かれは969歳で死んだと記述されている。(創世記5:27) また彼の名前は「彼の死がもたらす(môthô shâlach)」という暗号を含んでおり、事実『創世記』の記述から計算すると彼の死の直後に洪水が起きたことになる、彼の死の時まで神は忍耐を持って洪水を起こさなかったという解釈が出来る。神の忍耐によって彼は最長寿となった。結局はノアの家族八人だけが生き残ることになる。また彼の信仰をノアが受け継いだとも考えることが出来る。
[編集] メトシェラの母と妻
旧約聖書の偽典の『ヨベル書』によれば、次のとおりである。 第12ヨベルの第7年周にエノクは天使ダネルとイエレドの姉妹の間にできた娘エダニと結婚し第12ヨベルの第7年周の第6年にメトシェラが生まれた。(後女子も生まれた。)
第14ヨベルの第3年周の第1年にメトシェラは天使エズラエルとエノクの姉妹の間にできた娘エドナと結婚しレメクと娘が生まれた。
なお同じく偽典『エノク書』には、エノクのもとにメトシェラがやってきて息子のレメクの息子のノアが肌が雪のように白く、バラより赤く髪は白羊毛より白く・・・天使の子に違いないと相談したとの記述がある。