マンホール
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マンホール(manhole)とは、地下の下水道・暗渠・埋設された電気・通信ケーブルなどの管理をするために作業員が地上から出入りできるように地面にあけられた穴である。
通常、マンホールの開口部には人が誤って落ちないように蓋がしてある。マンホールの蓋は、風で飛ばされたり、盗難されたり、勝手に開けて中に入られたりするのを防ぐ目的、また、上に車両などの重量物が乗っても耐えるために、鉄で作られている。鋳鉄のものが多い。形状は円形が多いが、これは蓋が穴の中に落ちないようにするためである。
蓋の表面は、車などが通行する場合に滑ることを防止するため凸凹がある。単なる凸凹ではなく意匠としての紋様が描かれていることが多い。管理者が自治体の場合、その自治体の花や郷土芸能などの様子が描かれていたり、市章が入っている。ペンキ等で彩色されている場合もある。
電気・通信用のものの場合、重要用途のものでは蓋に鍵をつけて、下水道用等の蓋を開けるのと同じ金具では開かないようにしている場合もある。また、大型のもののみをマンホールと呼び、それより小さいものはハンドホールと呼んで区別している。類似するものにはCCBOX(電線共同溝)がある。
manholeという語は、man(人)とhole(穴)を組み合わせた語である。このmanを「男」の意に解し、女性作業員もいるので差別的だとして"personhole"という語が提唱されたことがあったが、普及しなかった(ポリティカル・コレクトネスを参照)。日本語では潜孔・人孔といった訳語があるが、あまり用いられていない。
[編集] マンホールが関係する事故
雨が降っている場合、マンホールの蓋が滑りやすくなり、この上に足を乗せて転んだり、車のタイヤがスリップして事故を起こすこともある。また、下水管に配電設備が併設されている場合、マンホールに漏電してこの上を歩いた人間が感電死した事例も存在する。
また、大雨により下水道に大量の雨水が流れ込んだ場合、 下水道内の圧力が高まりマンホールが吹き飛ぶことがある。 最近では圧力を逃がすように改良されたマンホールの蓋が採用されているマンホールもある。