マウンド
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マウンドとは、野球において投手が投球を行う区域のことである。上から見ると円形で、土を盛って周囲のグラウンドよりも高くなっている。中央には投手板と呼ばれる白色の板が埋め込まれている。
野球に類似した競技であるソフトボールにはマウンドは無く、ピッチャーズサークルと呼ばれる平坦な円形の区域の中に投手板があり、そこから投球を行う。
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[編集] 形状
直径18フィート(約5.49m)の円形に土を盛り上げた構造で、高さは10インチ(約25cm)と決められている。俗にお碗を伏せたような形と言われる。
マウンド中央に埋め込まれた投手板は横24インチ、縦6インチの長方形で、本塁の五角形の先端から投手板の本塁側の縁までの距離は60フィート6インチとなっている。投手の投球動作の際には、足が投手板(ピッチャーズプレート)に触れなければならない。
投球練習場(ブルペン)では、スペースの節約のため円形ではなく横長のマウンド(蒲鉾形)が用いられている。
[編集] ルール上の変遷
- 19世紀においては投手が投げる長方形の区域が設定されており、マウンドは存在しなかった。投手板は1893年から採用された。
- 1904年、高さを15インチまでとする制限が加えられた。
- 1950年、高さを15インチに統一。
- 1969年、高さを10インチに変更、マウンドの傾斜についても定められた。
実際は、球場によってマウンドの傾斜が微妙に違い、また、マウンドに用いられている土の材質も違うため、特定の球場のマウンドを苦手とするプロ野球の投手もいると言われている。投手が自らの投球動作を行いやすくする為に、マウンドの土を足で均したり削ったりする事もある。
[編集] 可動式マウンド
ドーム球場の多くは、野球以外の使用で平面を確保するため、マウンドを地面の下部に収納できる可動式機構を有している。