ポボス
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ポボス(Φόβος, Phobos, 敗走の意)は、ギリシア神話に登場する恐怖の神。古くは敗走を表す神であったが、後に混乱、狼狽、恐怖を表す神となった。後代にはフォボス、またラテン語化してフォブス (Phobus) とも呼ばれる。ローマ神話におけるティモールと同一視される。
軍神アレスと美の女神アプロディテの息子であり、兄弟にデイモス(恐慌)とハルモニアがいる。また、エロスとも兄弟ということになる。兄弟のデイモスや叔母のエニュオ(戦い))、時には叔母のエリス(争い、不和)と共に、常にアレスに従属して戦場を跋扈したという。
元はヘシオドスの『神統記』における恐怖の擬人化であるため、神話は無い。
英語フォビア(Phobia, 恐怖、恐怖症と訳される)の語源ともなった。また、アサフ・ホールが火星の二つの衛星を発見した際、ポボス(フォボス)とデイモス(ダイモス)の兄弟から名前を付けたことで広く知られている。