ピンホール・カメラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ピンホール・カメラとは、レンズを使わずに針穴=ピンホールを利用したカメラである。針穴写真機と呼ぶことも。
最も簡単なピンホールカメラは、箱の中の一面に印画紙を貼り、反対面にピンホールを開けたものである。ピンホールを通り抜けた光は、感光素材上に像を結び、露光時間さえ十分であれば現像等によって像を得ることが可能である。箱の内部は黒く塗る等して内部での反射を押さえることが望ましい。また、像を得るためには印画紙だけでなく感光する素材であれば何でもよく、CCD等でも問題ない。
ピントは、ピンホールを十分小さくすることによって広い被写界深度が得られるので、焦点距離を調節する機構が存在しなくても問題とはならないが、はっきりした像を得るためには、ピンホールの大きさは0.5mm以下にする必要があり、光量を得られにくいので、通常のカメラと比較すると非常に長い露出時間を必要とする。典型的露出時間は、5秒から数時間、場合によっては1日くらいまで露出することがある。 原理的に被写界深度が広いため、CCDを利用した監視カメラとして使われる場合がある。