ビクトリノックス
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ビクトリノックス (Victorinox) は、スイスに本拠地を置くナイフ製造業者である。スイスアーミーナイフの正式供給社として知られている。2005年に同じく正式供給社であったウェンガー(Wenger)社を併合した(後述)。
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[編集] 歴史
この会社は1884年に帽子職人の息子であったカール・エルズナーによって創業された。1891年以来、この会社はスイス軍へナイフを供給している。彼らの有名な紋章 (w: emblem) — 盾の十字 — は1909年以来ビクトリノックス社において使用されている。社名の由来はカールの母親の名(ビクトリア)とステンレスを表す“inox”の組み合わせ。
2005年4月25日にビクトリノックス社は、スイスアーミーナイフのもう1つの供給会社ウェンガー (w:Wenger) を取得した。製造元は一社となったが「ウェンガー」ブランドは継続すると発表されている。
[編集] 製品
[編集] スイスアーミーナイフ
スイス軍隊が正式採用している、日用的な用途に使用するための多機能な折り畳みナイフ「ソルジャー」を1891年に納入。及びそれらから派生した2枚の背バネに6つのパーツからなる「オフィサー」を発明した世界的なナイフメーカーである。
「オフィサー」では大小のブレード(ナイフ刃)、ヤスリや栓抜き(先端はマイナスドライバーにもなる)といった機能を組み合わせた物が見られ、本来はあくまでも実用本位の日用品であるが、派生製品の中には数十もの機能を搭載し、方位磁針やポケットライトは兎も角として、時計やUSBメモリ・気圧計・さらにはMP3プレイヤーなどの電子機器まで搭載した、職人芸的ではあるが実用性には大いに疑問の残る、満艦飾的な製品も存在する。一般に、不測の事態にまで備えた“使える”モデルは「スイスチャンプ」(ウェンガーでは「チャンピオン」)までだと言われる。
[編集] スイスツール
スイスツールはレザーマン・ツール(ニードルノーズ・プライヤーを主体にした折り畳み式マルチツール)のビクトリノックス社版。
[編集] ブランドの拡張
ナイフの他、航空機への持込みを考慮しブレードを廃した「フライト」、腕時計やバッグなども生産しており、現在はアウトドアグッズメーカーとしてもその地位を上げている。
踊る大捜査線の青島俊作は「秋の犯罪撲滅スペシャル」(1998年10月6日放送)以降、「ウェンガー」の腕時計をしている。