ヒヨドリ
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ヒヨドリ | ||||||||||||||||
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ヒヨドリ(2004年5月撮影) |
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分類 | ||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||
Hypsipetes amaurotis(Temminck, 1830) | ||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||
Brown-eared Bulbul |
ヒヨドリ(鵯、Hypsipetes amaurotis)は、スズメ目・ヒヨドリ科に分類される鳥の一種。日本では里山や公園でよく見られる身近な野鳥の一つである。
目次 |
[編集] 学名の変遷
ヒヨドリ属の学名はヒヨドリ科の鳥類に関する分類学の進歩とともに変遷している。
- 1882年 Hypsipetes amaurotis
- 1943年 Microscelis amaurotis
- 1960年 Hypsipetes amaurotis
- 1990年 Ixos amaurotis
- 2002年 Microscelis amaurotis
日本ではHypsipetes amaurotisやIxos amaurotisが一般的であり、国際的な分類や保全に関するサイトではIxos amaurotisやMicroscelis amaurotisが一般的である。
[編集] 特徴
体長は27cmほどで、ハトより小さい。頭から背中は灰色の羽毛に覆われるが、頬に褐色の部分があり、よく目立つ。また、頭頂部の羽毛は周囲よりやや長く、冠羽となっている。翼や腹は灰褐色をしている。
里山や公園などある程度木のある環境に多く生息し、都市部でも見られる。おもに樹上で活動するが、地上に降りることもある。飛ぶときは数回羽ばたくと翼をたたんで滑空するパターンを繰り返して飛ぶため、飛ぶ軌道は波型になる。鳴き声は「ヒーヨ!ヒーヨ!」と聞こえ、和名はこの鳴き声に由来するという説がある。
ヒヨドリは主に果実を食べているが、繁殖期は果実に加え昆虫類も多く捕食する。非繁殖期は果実(センダンやイイギリ、カキ、ヘクソカズラなど)がほとんどである。糖分を好むためか、ツバキやサクラなどの花にやってきて蜜を吸ったり、庭先にミカンやリンゴなど果物の半切れを置いておくとすぐにやって来たりする。しかし、ときに集団で畑に現れキャベツやブロッコリー、ミカンなどの農作物を食い荒らすこともあり、農家には嫌われる。
[編集] 日本の亜種
- H. a. amaurotis, ヒヨドリ, 普通種
- H. a. squameiceps, オガサワラヒヨドリ
- H. a. magnirostris, ハシブトヒヨドリ
- H. a. borodinonis, ダイトウヒヨドリ
- H. a. ogawae, アマミヒヨドリ
- H. a. pryeri, リュウキュウヒヨドリ
- H. a. stejnegeri, イシガキヒヨドリ
- H. a. nagamichii, タイワンヒヨドリ
[編集] Sibley分類体系上の位置
スズメ目 > スズメ亜目 > スズメ小目 > ウグイス上科 > ヒヨドリ科