ヒスタミン

構造式　ヒスタミン

ヒスタミン（Histamine）は組成式C₅H₉N₃、分子量111の活性アミンである。

[編集] 合成・代謝

ヒスタミンは食物から体内に取り込まれるほか、生体内ではヒスチジン脱炭酸酵素によりヒスチジンから合成され、ジアミン酸化酵素で分解されて、イミダゾール酢酸となり排出される。肥満細胞中に高濃度で存在し、肺、肝臓、胃粘膜などにもある。

肥満細胞のほか、好塩基球やECL細胞（enterochromaffin-like cell）がヒスタミン産生細胞として知られているが、普段は細胞内の顆粒に貯蔵されており、細胞表面の抗体に抗原が結合するなどの外部刺激により細胞外へ放出される。

特異的な受容体を介してその作用を発揮する。

血圧降下、血管透過性亢進、平滑筋収縮、血管拡張、腺分泌促進などの薬理作用があり、アレルギー反応や炎症の発現に介在物質として働く。

神経伝達物質として働き、オキシトシン分泌や覚醒状態の維持に作用するといわれる。

ヒスタミンが過剰に分泌されると、ヒスタミン1型受容体というタンパク質と結合して、アレルギー疾患の原因となる。ヒスタミンの分泌を抑えるのが抗ヒスタミン薬であるが、成分によって抗アレルギー、胃酸抑制の作用を示す。

現在のところ4種のGタンパク質共役型受容体が発見され、ヒスタミンが結合したときの作用が異なる。