パワーストーン
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パワーストーン(Power stone)とは、宝石のなかでもある種の特殊な力が宿っていると考えられている石のこと。その石を身につけていると良い結果が石からもたらされると愛好家から信じられている。
科学的合理主義の立場からは、その特殊な力が存在することは証明されないため、疑似科学かオカルトのようなものとして考えられている。
[編集] 概要
歴史的には、古来からさまざまな民族のあいだで、稀石、宝石に特殊な力があると考えられてきた。ヒスイはマヤやアステカ文明では呪術の道具として用いられており、紫水晶は西洋では魔術や毒を防ぐ力をもっていると信じられていた。
この宝石の力についての考えが1980年代初期のアメリカでのニューエイジムーブメントに取り込まれ、石に癒し(ヒーリング)の力があると解釈されるようになった。このとき、特に癒しの力が大きいと考えられていたのが水晶である。「クリスタルパワー」という言葉が作られ、水晶による癒しの効果が説かれるようになった。
これが1980年代後期から90年代前期にかけてアメリカから日本に、主に占星術者の手によって紹介されると、日本にもパワーストーンブームが起こり、多くのそれほど高価でない宝石類が売れることになった。
その後ブームは下火になったが、2000年代前期に、今度は「石の浄化」というアイディアを取り入れたことから再びパワーストーンに注目が集まっている。
[編集] 代表的なパワーストーン
- クリスタル(水晶)
- ラピスラズリ
- アメジスト
- トルマリン
- ターコイズ
- 琥珀―――樹液の化石であるため、女神の涙として語られる。また、中に虫などが入っている事もある。
- 珊瑚―――桜の花が埋められた死体の血の色だと言われるように、赤い珊瑚はメデューサの首から流れた血が吸い取られたものだという。
- サファイア―――その青さが空を固めたものとして、天空神とのつながりを信じられる。
- アンモナイト―――とぐろを巻いた蛇のような姿は、かつてヴィシュヌに体当たりをしたと言う蛇にたとえられる。そのため、アンモナイト周辺の土はヴィシュヌの一部として力を持つとされる。
- 真珠―――花山天皇が竜神から授かったという如意宝珠を、後白河に言われ調べた海人は代わりに大きな貝を見つけたという。その事から如意宝珠は貝から生まれる真珠であるとされた。
- 雲母―――吹けば飛ぶほど薄く剥がれる事から、中国では雲は雲母が空を飛んでいるものと考えられた。山で雲が発生するのは風が山に当たり、雲母を巻き上げるからであると。