パケット通信
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パケット通信には、電気通信事業で行うパケット通信と、アマチュア無線で行うパケット通信がある。此処では前者の電気通信事業で行うパケット通信を記する。
パケット通信(パケットつうしん)とは、端末からのデータをPAD(Packet Assembly Disassembly)でパケットに変換して伝送し、交換設備の記憶装置に蓄積し、中継伝送路の空いている時間に送り出し、受信側の交換機の記憶装置に蓄積された後送出され、PADで元のデータに変換され相手先の端末に届く方式である。蓄積交換とも呼ばれる。
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[編集] 特徴
[編集] 利点
- 複数の端末で伝送路や交換設備の共有が可能で、それらの利用効率が良い。
- データが一度蓄積されるので異なる速度の端末装置同士の通信が容易である。
- 伝送路や交換設備が複数繋がれている場合、通信途中での動的な経路選択が容易であり、障害に強い。
- データを一度蓄積しており、誤り検出した場合に再送信を求めることが可能なため、データ誤りの無い通信を提供できる。
[編集] 欠点
- パケット通信を行っているため、RAS(Remote Access Service)等で直接データ通信できないという問題がある。64kPIAFS通信などでは、その通信方式に対応したターミナルアダプタ(TA)を配置することで直接にデータ通信が可能であったが、パケット通信ではパケットの組み立て分解を行うサーバを介する必要がある。このため、通常はISP経由での接続を行うことが多い。
- 実効通信速度の保障を行いにくい。
- 輻輳などにより、伝送遅延時間が変動する。
[編集] 回線構成
PADを持たない端末装置の場合、外付けしてパケット通信網に接続する。
|DTE|--|PAD|--|DCE|--|交換設備|--|中継回線|--|交換設備|--|DCE|--|PAD|--|DTE|
PADを持つ端末装置の場合、直接パケット通信網に接続する。
|DTE + PAD|--|DCE|--|交換設備|--|中継回線|--|交換設備|--|DCE|--|PAD + DTE|
- DTE(Data Terminating Equipment) : データ端末装置
- PAD(Packet Assembly Disassembly) : パケット組み立て分解機能
- DCE(Data Circuit terminating Equipment) : データ回線終端装置
[編集] 方式
- Virtual Call : 仮想回線(Virtual Circuit)を設定してからデーターを送信。
- Connectionless : 事前の経路確保無しに、データー送信を開始。
[編集] 関連項目
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