パキケファロサウルス
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パキケファロサウルス Pachycephalosaurus |
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パキケファロサウルスの頭蓋骨 オックスフォード大学自然史博物館 |
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分類 | ||||||||||||||||||||||
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パキケファロサウルスは、白亜紀後期に生息していたいわゆる石頭竜。体長6~8m。
パキケファロサウルスの最たる特徴は厚さ30cmに達する頭骨である。人間とほぼ同サイズのステゴケラスでさえ15cm近くの厚さを持っている。この驚くべき特徴から、パキケファロサウルス科は頭突きをすることで群れ内部の順位を決めていたとする説が誕生した。実際に骨格を前へと突き出し、もっとも頭骨の厚い頭頂部を前方に向けると、背骨-尾が一直線になり、うまくショックを逃がすことができるというのである。
この頭突き説には異論もある。確かに背骨は一直線になるかもしれないが、肝心の頭骨を前方に向けたままロックする構造が見当たらず、また頚椎の部分でショックを吸収するものが存在しないというのである。彼らの仮説からいけば、頭突きをした瞬間に頚椎を脱臼、もしくは骨折する可能性が大である。
実際、パキケファロサウルス自体の全身骨格はまれで(現在パキケファロサウルス科で全身骨格が見つかっているのはステゴケラスのみ)、これらの頭突き説などは全て発見された頭部のみ化石から想像していたものである。パキケファロサウルスの本格的な研究はこれから始まるといっても良い。
なお、この仲間には世界一長い名前の恐竜ミクロパキケファロサウルスがいる。