ハトシ
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ハトシ(広東語 蝦多士、ha1do1si2、英語 shrimp toast)は、主に東南アジアや日本の長崎で食べられている、食パンの間にエビなどのすり身をはさんで、サラダ油で揚げた料理。
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[編集] 歴史
[編集] 広州の蝦多士
本来、広東語では「ハートーシー」のように長音で発音される。「蝦(ハー)」はエビを意味する言葉で、「多士(トーシー)」は英語のトーストの音訳である。油で揚げたことをはっきり示すために「炸蝦多士」(ジャーハートーシー)と言うこともある。パンを用いるので、最近の料理のように思えるが、100年余り前には広州でも作られていた古い料理の一つといわれる。アメリカなどのチャイナタウンで出す店もある。
[編集] 長崎のハトシ
長崎県長崎市では、江戸時代から貿易を通じて、明国、清国などとの交流があり、今の中国や東南アジアの料理も伝えられ、卓袱料理と総称されていた。明治時代に卓袱料理のひとつとして清国から伝えられたのが「蝦多士」で、長崎では広東語をまねたハトシという呼び方で広まった。一時期は家庭でも作るほど普及したが、すり身を用意するのが手間などの理由で、家庭で作ることは減り、中華料理店のメニューや、店頭販売の軽食として販売されている。また、本来のエビをつかったものの他、豚肉や豚角煮など、別の材料を使ったはさみ揚げも作られている。
[編集] 台湾の蝦吐司
広州の蝦多士は、台湾に伝わると、台湾でのトーストの呼び名「土司」、「吐司」に合わせて、「蝦土司」、「蝦吐司」(中国語 シャートゥースー、xiātǔsī、台湾語 ヘートースー)と呼ばれるようになった。広東料理店などのメニューのひとつとなっている。
また、夜店の屋台でよくみかける変種として、殻と背わたを取って下味を付けたクルマエビなどを、 溶き卵に漬け、耳を切り落とした食パンを巻き付け、爪楊枝で止めてから、油で揚げた円柱形の「土司蝦捲」、「吐司蝦捲」(トゥースーシアジュエン、tǔsīxiājuǎn)がある。これは、パン粉を食パンに変えたエビフライの変種とみることもできる。
[編集] ベトナム、タイのシュリンプトースト
同様の料理は、ベトナムやタイでも作られている。ベトナム語ではバインミーチントム(bánh mì chiên tôm)、タイ語ではカノムパンナークンと呼ばれる。ベトナムでは食パンではなく、フランスパン(バゲット)を使ったものも多い。
[編集] 揚げエビ団子(酥炸蝦球)
エビのすり身を丸くまとめて作るエビ団子には、ゆでて作るものや、衣を付けずに揚げるもの(炸蝦球)もあるが、さいころ状に小さく切った食パンを衣として、まわりに付けてから揚げるものもあり、このタイプは「酥炸蝦球」(広東語 ソウザーハーカウ)と呼ばれる。これは、ハトシと同じ材料でできており、形状が異なっているものと見ることができる。日本の中華料理店では、食パンを付けたタイプの方を目にする機会の方が多く、神戸の南京町では串刺しにして売り、名物となっている。