ノイ!
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ノイ!(NEU!)はドイツのロック・バンド。1971年にクラウス・ディンガー(ドラムス)、ミヒャエル・ローター(ギター)によって結成された。機械的な4つ打ちビート(ハンマー・ビートと呼ばれる)を大胆に用い、広く流布させた。「ノイ(Neu)」とはドイツ語で「新しい」という意味。バンド名の正しい表記は大文字・エクスクラメーションマークつきの「NEU!」であり、ポップ・アート的な意匠を意図している。現在のエレクトロニック・ミュージックはもちろん、セックス・ピストルズ、デビッド・ボウイ、ゲイリー・ニューマン、ウルトラヴォックス、シンプル・マインズなどの、パンク/ニュー・ウェーブのミュージシャンたちに大きな影響を与えている。
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[編集] 歴史
1970年、クラフトワーク(ラルフ・ヒュッター、フローリアン・シュナイダー)がファーストアルバムを制作中、ドラマーとして雇ったのがクラウス・ディンガーだった。アルバムが完成したあと、ミヒャエル・ローターがメンバーに加わった。すると、主要人物であるラルフ・ヒュッターがバンドを脱退してしまった。残された3人は6ヶ月間行動を共にした。彼らはコニー・プランクのスタジオでアルバム制作を試みたがうまくいかず、クラウス・ディンガーとミヒャエル・ローターは新たにノイ!を始めることにした。クラフトワークにはラルフ・ヒュッターが復帰し、活動を継続した。
ノイ!のファーストアルバム『ノイ!』(1972年)は3万枚しか売れなかった。しかし現在ではデビッド・ボウイ、ブライアン・イーノ、トム・ヨーク(レディオ・ヘッド)らを含む有力なミュージシャンたちによって傑作と評されている。名曲『ハロガロ - Hallogallo』を収録している。
2nd『ノイ!2』(1973年)ではリミックスの先駆的な試みをしている。制作費が足りなかったため、すでにリリースしたシングルのバリエーションで二枚組LPの2枚目を埋めた。これを聴いたある批評家が「塩化ビニールの無駄遣い」と評したことは伝説となっている。
クラウス・ディンガーとミヒャエル・ローターの音楽性は非常に異なったため、『ノイ!75』(1975年)をもって1970年代の二人のコンビネーションは解消した。LPのA面はローターのアンビエント的なサイドであり、B面がディンガーのパンク的サイドである。このアルバムにはトーマス・ディンガー(クラウスの弟)とハンス・ランペ(コニー・プランクの元助手)が参加しており、ローターを除いた3人がこのあとラ・デュッセルドルフを結成する。
[編集] 解散後
1995年、CD『ノイ!4』が日本のキャプテン・トリップ・レコードから発売された。 1985年から1986年にかけて、クラウス・ディンガーとミヒャエル・ローターがノイ!再結成を期して行ったセッションによるものである。この発売をローターは認めていない。
1996年、クラウス・ディンガーはラ!ノイ?を結成して来日。ライブではラ・デュッセルドルフの名曲『CHA CHA 2000』を一時間半にわたって演奏し、ファンの度肝を抜いた。
[編集] ディスコグラフィー
- 1972年 ノイ! – Neu!
- 1973年 ノイ!2 – Neu! 2
- 1975年 ノイ!75 – Neu! '75
- 1995年 ノイ!4 – Neu! 4
- 1996年 ノイ!'72ライヴ – Neu! '72 Live!