ナチョス
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ナチョス(英語:Nachos)は、通例溶かしたチーズで被せたトルティーヤ・チップスをベースとする料理を指す。ナチョ、またはナーチョとも。一般的なトッピングの例としては、牛肉や鶏肉の挽肉、ハラペーニョのスライス、煮豆ペースト、サルサ、ワカモレ、サワークリームなどがある。また、チーズを使用せずに作るナチョスもある。
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[編集] 概要
複数の新聞紙やオックスフォード英語辞典の定義によれば、ナチョスは1943年にメキシコのコアウイラ州ピエドラスネグラスのレストランで働いていた店員、イグナチオ・アナヤによって創り出されたとされている。アメリカ合衆国の航空兵夫人達が閉店後に突然、アナヤの勤めていたレストランを訪れた。アナヤは手早く料理を用意し、その後その料理はメニューに加えられたという。この「ナチョス」という言葉もアナヤの本名の一部「イグナチオ(Ignacio)」から名づけられた料理名に由来するものであり、当初彼が発案したこの新しい料理の名前は、「ナチョズ・スペシャル・ディッシュ(Nacho's Special Dish)」であった。アナヤが発明したオリジナルのナチョスは、トルティーヤ・チップスのフライをとろけるチーズとハラペーニョで覆ったものであった。現在でも煮豆ペーストや様々な肉、または細かく削ったチーズの層に4等分したトスターダをトッピングしたものは、ナチョスの伝統的な特徴である。
またオックスフォード英語辞典は、ジェーン・トラヘイが編集し1949年に発行された「テキサスの味」という名の調理本の中で初めて、英語の言葉の一つとして「ナチョ」が印字されたと認めている。この「テキサスの味」の中でも、ナチョスの発案者としてイグナチオ・アナヤの話に言及した。
水素添加オイルを基にした加工チーズソースが発展した後、安価な食品が店頭に並ぶにつれて、準備の簡単なナチョスは徐々に人気を博していった。このチーズソースはトルティーヤ・チップスの上にかけるものであるが、単にそのままつけて食べるために使用される事がよくある。しかし、加工チーズソースが本格的なメキシコ料理ではなく、健康にもあまり良くないと考えられて以来、ナチョスはこちらも人気食品である固形のチーズを用いて作られるようになった。
売店でナチョスが売られるようになってから初めてナチョスを注文したプロの野球チームは、アメリカのテキサス・レンジャーズであった。また大衆文化において、ナチョスは一風変わった形でその姿を現すことになった。スポーツ番組、「マンデー・ナイト・フットボール」の中で、スポーツ評論家のハワード・コセルは目を見張るプレイを実況する際に「ナチョス」という言葉を使用した他、アメリカのアニメ番組「ビーバス・アンド・バットヘッド」の中では、ナチョスへのとてつもない情熱を描写したシーンが目立っている。
[編集] 準備
ナチョスは焼き皿にトルティーヤ・チップスを敷き、その上をチェダーまたはジャックチーズで覆い被せ、トッピングを加え、オーブンで焼いて作る。多くのレストランでは浸して食べるためのソースとして、小さなカップに溶けたチーズを注いだものと共に、トルティーヤ・チップスをだす。ナチョスはサワークリームやサルサと一緒に出されるのが最も一般的であるが、ワカモレのように浸すものと一緒に出されるのもごく普通である。
テネシー州のメンフィスでは、ナチョスのバーベキューがほとんどのバーベキューレストランで出され、またスポーツのイベントで出されることもある。これはボリュームある豚肩バーベキューの一部がトルティーヤ・チップの上に盛り付けられるもので、さらにその上から溶かしたチーズやバーベキューソース、そしてハラペーニョのスライスが被せられる。
[編集] ノート
- 「イグナチオ」というスペイン系の名前を持つ人は、短くしたニックネームも「ナチョ」と呼ばれる事が多い。
- 同じくトルティーヤ・チップスとチーズを使用した料理には、テクス・メクス料理を扱うレストランでよく見られるチリコンケソが有名である。
[編集] 参考
以下は、翻訳元である英語版(w:en:Nachos)の参考である。
- デンバー・ポスト.com ― ナチョ・インターナショナルデーの記事(アーカイブ)。
- オックスフォード英語辞典オンライン ― ナチョ・インターナショナルデーの記事。
- マイク・ダン 『One spicy tale: 'Macho Nachos'. Sacramento Bee』 2004年
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- ナチョのレシピ(英語)