ドゥルガー
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ドゥルガー(Durga)は、ヒンドゥー教の女神。外見は優美で美しいが、実際は恐るべき戦いの女神である。10本あるいは18本の腕にそれぞれ神授の武器を持つ。神々の要請によって魔族と戦った。シヴァ神の神妃とされ、パールヴァティーと同一視された。
神話によると、アスラの王マヒシャがアスラ族の軍勢を率いて天界を攻め、神々を追放してしまった。神々は怒り、口から光を放射して一点に集中させた。その光の中からドゥルガーは生まれたとされる。ドゥルガーは魔神討伐のため神々から武器を授かり、またヒマラヤの神ヒマヴァットからはトラを乗り物として授かった。ドゥルガーは次々とアスラの軍勢を滅ぼし、最後に水牛の姿をしたマヒシャを討ち取った。ドゥルガーがシヴァ神の三叉戟でマヒシャにとどめをさす図マヒシャマルディニーはこの話に由来する。またドゥルガーは、魔神ドゥルガーを大戦争の末に滅ぼしたとき、記念としてその魔神の名を自らの名前にした。さらに、シュムバ、ニシュムバととの戦いでは、怒りによって黒くなったドゥルガーの額から女神カーリーを生み出した。この女神はドゥルガー以上に純粋に戦闘を楽しむ女神とされる。またドゥルガーは逆立った髪から7人(あるいは8人)の戦いの女神を生み出した。
10月ごろに行われるドゥルガー・プージャーはドゥルガーを祝う祭であり、とりわけベンガル地方では盛大に執り行われた。