トーテムポール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
トーテムポールは、アメリカ先住民の柱状の木の彫刻のこと。北アメリカの太平洋北西海岸で多数見ることができる。
[編集] 歴史、目的
トーテムポールの起源は明確ではない。使っている木が北西海岸の熱帯雨林で育つもので腐食しやすく18世紀より古いものが残っていないためである。そのころの調査隊の報告によると小さいものがわずかながら残っていたらしい。トーテムポールは屋外に独立して立つもの以前からハウスポスト、すなわち家の中の柱として存在していた。 屋内の柱には婚姻や葬式などその家の歴史が順次刻まれて紋章のような役割を果たしていたがそれが発展して屋外の独立して記念碑や墓標として建てられるようになった。単なる墓標でなく遺体を納める棺桶となっている場合もある。
[編集] スタイル
トーテムポールは各種品物や動物、人の顔(あるいは仮面)など様々な要素を積み重ねた形状をしている。
使われる要素やデザインは種族によって異なり大きく二つのタイプに分かれる。
一つは南東アラスカ、カナダの北西ブリティシュコロンビアのトリンギット族、ハイダ族、チムシアン族が属する北のスタイルである。大きな特徴は使う色が黒、赤、青緑(ターコイスブルー、トルコ石の色)の三色にほぼ限られることである。
南ブリティッシュコロンビア(バンクーバー島と近くの本土)、およびアメリカ北西部のワシントン州のワカシ語族とサリッシュ語を話す民族は南のスタイルである。 ワカシ語族のクワキウトル族のトーテムポールはよく知られた典型的なもので伝説の鳥サンダーバードの彫刻や多くの色使い(黒、赤、白、青、緑、黄色など)を特徴としている。