トリノスケール
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トリノスケールは地球近傍天体(NEO)が地球に衝突する確率、及び衝突した際の予測被害状況を表す尺度。色と数値で表される。 マサチューセッツ工科大学のBinzel教授により提案され、1996年イタリアのトリノで開催された国際天文連盟の会議で採択され、2005年説明文が改訂された。
[編集] 階級
トリノスケールは、リスクの低い順から白、緑、黄、オレンジ、赤と色でも表される。 各色は大体以下のような意味である。
危険性なし (白) | |
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0. | 衝突の可能性が0、またはほぼ0である。流星や、大気中で燃え尽きるか、稀に隕石として落下した場合でも滅多に被害が出ない天体のような小さな物体にも適用される。 |
普通 (緑) | |
1. | 地球の近くを通るが、並外れたレベルの危険を引き起こさないと予想される日常茶飯事な発見。現在の計算で衝突する可能性はとてもありそうに無いとはじきだされ、公共の注意や懸念の根拠にはならない。望遠鏡による新しい観測が、Level 0への再割当てへ導くだろう。 |
天文学者による注意が必要 (黄) | |
2. | いくらか近いが、しかし大して珍しくない地球のそばを通る物体の発見。詳しい調査の行程になるかもしれない。天文学者が注意する必要のある一方、実際に衝突することが非常にありえそうにないので、公共の注意や懸念の根拠にはならない。望遠鏡による新しい観測が、Level 0への再割当てへ導くだろう。 |
3. | 天文学者が注意する必要のある近接遭遇。現在の計算で1%かそれ以上の確率で、局所的に破壊する能力を有する衝突が起きるという結果が得られる。たぶん、望遠鏡による新しい観測が、Level 0への再割当てへ導くだろう。遭遇が十年を切っている場合、市民や公務員が注意するに値する。 |
4. | 天文学者が注意する必要のある近接遭遇。現在の計算で1%かそれ以上の確率で、地域的に荒廃させる能力を有する衝突が起きるという結果が得られる。たぶん、望遠鏡による新しい観測が、Level 0への再割当てへ導くだろう。遭遇が十年を切っている場合、市民や公務員が注意するに値する。 |
脅威 (オレンジ) | |
5. | 地域を荒廃させる恐れのある深刻な、しかしまだ不確実な近接遭遇。衝突が起こるか否か確実に決定するため、天文家は非常に注意する必要がある。もし遭遇が10年を切っている場合、政府の非常事態計画は正当化されるかもしれない。 |
6. | 世界的大災害発生の恐れのある深刻な、しかしまだ不確実な大きな物体の近接遭遇。衝突が起こるか否か確実に決定するため、天文家は非常に注意する必要がある。もし遭遇が30年を切っている場合、政府の非常事態計画は正当化されるかもしれない。 |
7. | 世界的大災害発生の恐れのある空前の、しかしまだ不確実な大きな物体の今世紀中の非常な近接遭遇。今世紀のそのような脅威のために、国際的な非常事態計画は正当化され、特に衝突が起こるか否か緊急にそして確実に決定する。 |
間違いなく衝突 (赤) | |
8. | 衝突は確実で、陸への衝突(沖合い近くなら津波かもしれないが)で局地的に破壊する能力を有する。そのような出来事は50年から数千年に一回の割合で発生する。 |
9. | 衝突は確実で、陸への衝突や海洋への衝突による大津波によって空前の地域的荒廃をもたらす能力を有する。そのような出来事は1万年から10万年に一回の割合で発生する。 |
10. | 衝突は確実で、我々が知ってるように、陸に衝突しようが海洋に衝突しようが文明の将来を脅かす恐れのある世界的気候的大災害をもたらす能力を有する。そのような出来事は10万年に一回かそれ以下の割合で発生する。 |
英語版WikipediaはNASAのページから引用しています。
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