テンペル第1彗星
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テンペル第1彗星(9P/Tempel 1)は、1867年4月3日にドイツのエルンスト・テンペルによりマルセイユで発見された周期彗星である。木星に接近して摂動を受けやすい軌道にあるため公転周期は変動しており、1881年までは5.68年だったが現在は5.5年。このため、1898年から1967年まで一時消息不明となった。
テンペル第1彗星の最大の明るさは11等級。ハッブル宇宙望遠鏡(可視光)およびスピッツァー宇宙望遠鏡(赤外線)での観測により、彗星の核の大きさは14×4km、アルベドは4%、そして自転周期は2日であることが分かった。
テンペル第1彗星へは、2005年7月4日(アメリカ時間)にディープ・インパクトが接近し、370㎏の銅・アルミ製の衝撃弾を撃ち込んで、生じるクレーターと塵を観測し、彗星の核を本機及び衝撃弾に搭載されたカメラで撮影した。
この彗星がディープ・インパクト計画に選ばれた理由としては、エッジワース=カイパー・ベルト由来の天体であること、大きさが弾丸を撃ち込むのに適切であること、表面が比較的滑らかで衝突させやすいことが挙げられる。この調査により、彗星の核の内部の構造が明らかになると期待された。
実際には、衝突後に予想された彗星の増光はほとんど起こらず、ハッブル宇宙望遠鏡などでわずかに確認されたのみであった。このことから、テンペル第一彗星の表面は丈夫な殻状の物体に覆われていると考えられている。また、テンペル第1彗星の成分はヘール・ボップ彗星などの長周期彗星の成分とほぼ同じであることが判明した。また、ロゼッタの観測により、テンペル第1彗星の塵の量は水蒸気の量よりも多いことが判明した。これらの結果から、従来の彗星モデルの修正が必要となった。