チェンジアップ
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チェンジアップ(changeup)は野球、ソフトボールにおける変化球の一つで、打者の手元で沈む変化球。初速は直球に近いが、回転数が少ないために空気抵抗を強く受けてどんどん失速し、やがて落下する。その回転数は直球の30〜35回転に対し25回転程度とされる。アメリカメジャーリーグでは非常に重く用いられている。
[編集] チェンジ・オブ・ペースとの混同
一時期は打者のタイミングを外す行為「チェンジ・オブ・ペース(和製英語)」のことを「チェンジアップ」とも言っていたため混同してチェンジアップ=遅い球と言われたこともままあったが、現在ではチェンジアップも立派な変化球として認識されている。有名なのがゲーム『実況パワフルプロ野球』で、初期のころは単に遅いボールを「チェンジアップ」と称していたが、後にそれを「スローボール」と改称し、そしてチェンジアップは落下する変化球として設定された。ただし、アメリカでは直球と同じ腕の振りから投じられるスピードの遅いボールの事を全般にchangeupと言い、その変化についてはあまり気にされていない。代表例は高津臣吾で、彼がシカゴ・ホワイトソックスに在籍していた時は投げる球すべての球速がメジャーリーグの標準球速より数段遅いため、解説者は彼が投げる変化球(軌道から言えばシンカーおよびカーブ)をすべてchangeupと分類し、投球スタイルをサンディエゴ・パドレスのトレバー・ホフマンと比較していた。
[編集] 投げ方
野球での投げ方は多彩で、代表的な投げ方にカーブに似た握り方の通称リトルリーグチェンジアップや、オーケーサインを作って中指からボールを滑らすサークルチェンジがある。また、打者のタイミングをずらすためにストレートの握りでバックスイング時からリリース直前までの間、あるいはその間の一瞬に人差し指、中指を立て、指を戻すと同時にあるいは戻した後リリースする投げ方もある。
[編集] 代表的な投手
サークルチェンジはメジャーリーグ往年の名投手、ノーラン・ライアンの得意な球種でもあった。日本の現役投手では井川(阪神)や松坂(西武)が得意としている。