タップとダイス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
タップとダイスは、金属加工において部品にねじを刻むために一般的に用いられる工具である。
[編集] タップ
タップとは、あらかじめドリルで開けられた穴の内側に雌ねじを切るものである。大別すると手加工に用いるハンドタップとマシンタップに分けられる。ハンドタップには大きさと種類の異なる3種類のタップがある。
- 3番タップまたは仕上げタップは、タップの加工の最後に用いるもので、穴の底までを加工するものである。
- 2番タップまたは中タップは穴の途中までを加工するものである。
- 1番タップまたは先タップは、タップの先端に向けて傾斜が付けられ、先端が細くなっているものである。ドリルで開けられた穴を簡単に加工でき、タップの歯が少ないために弱い力で切ることができる。
手仕上げによって加工する場合の使い方は、最初に先タップ、次に中タップ(材質が硬くタップが利いていると感じた場合)、最後に仕上げタップを用いて、穴の最深部までを完成させる。一般に、3分の2回転させてねじを切った後、3分の1回転分の「戻し」を行って切り粉を刷き出しながら作業を進めるとよい。タップが折れてしまうと除去することは困難なため、慎重に作業する。また加工時にタップが傾いているとネジがゆるくなるので注意。
なおハンドタップにおいてはタップを回すためにタップレンチ あるいはT型タップホルダーが用いられる。(T型タップホルダーは小径に用いられる) この他、管用ねじに使われるテーパタップとストレートタップ、増径タップと等径タップ、切粉の排出性のよいスパイラルタップなどの種類がある。
[編集] ダイス
ダイスとは、円筒形の棒に雄ねじを切る道具である。ダイスを回転させるためダイスハンドルが使われる。ダイスには内径を微調整する止めネジがある。
タップに比べて正しい角度でねじを切ることが難しいため、削る棒の先端をあらかじめ面取りしておく。
ダイスと同様の加工は旋盤を使って行うこともできる。