タカミムスビ
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タカミムスビは、日本神話の神。古事記では高御産巣日神、日本書紀では高皇産霊神と書かれる。葦原中津国平定・天孫降臨の際には高木神(たかぎのかみ)という名で登場する。神社の祭神としては高皇産霊尊などとも書かれる。 天照大神の御子神・アメノオシホミミがタカミムスビの娘と結婚して生まれたのが天孫ホノニニギであるとされていることから、天孫の外祖父でもある。 対偶的な神名をもつ神皇産霊神は出雲神話で、高皇産霊神は高天原神話で働くという。
古事記によると、天地開闢の時、天御中主神の次に神皇産霊神と共に高天原に出現したという神である。天御中主神・神皇産霊神と共に造化の三神とされ、ともに単神として成って身を隠した「独神(ひとりがみ)」とされるが、ほかの神よりも活動存在が顕著である。また鎮魂神として神祇官八神の神の一でもある。 一方、日本書紀では、天地初発条一書第四に「又曰く~」という形式で登場しているに過ぎない神であるが、天孫降臨神話では天照大神より優位に立って天孫降臨を司令している伝が存在することから、この神が本来の皇祖神だとする説もある。延喜式祝詞・出雲国神賀詞には、「神王タカミムスビ」などとある。
天津国玉神の子である天稚彦(アメノワカヒコ)が、天孫降臨に先立って降ったが復命せず、問責の使者・雉(きぎし)の鳴女(なきめ)を射殺した。それが高皇産霊神の怒りに触れ、その矢を射返されて死んだという。
「産霊」は生産・生成を意味する言葉で、神皇産霊神とともに「創造」を神格化した神であり、女神的要素を持つ神皇産霊神と対になって男女の「むすび」を象徴する神でもあると考えられる。
子に八意思兼神(やごこころおもいかねのかみ)、萬幡豊秋津師比売命(よろずはたとよあきつしひめのみこと)がいる。
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