タイマーズ
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タイマーズ(THE TIMERS)は、シンガーソングライター・ロック歌手の忌野清志郎(に似た人物という設定)率いる日本のロックバンド。1980年代終わりに突如デビュー。学園祭を暴動ライブに変えた。1994~5年頃、突如復活しツアーを行う。そして2005年、忌野清志郎35周年記念公演にシークレット・ゲストで出演、新曲を披露。バンドは現在進行形であることをアピールした。
リーダーであるゼリー(ボーカル・ギター、忌野清志郎そっくり)の他に、トッピ(ギター、三宅伸治そっくり)、ボビー(ウッドベース、川上剛そっくり)、パー(ドラムス、杉山章二丸そっくり)がいわゆるドカヘル(土木作業用のヘルメット)を被り、「現場でサボって音を鳴らしているうちに出来上がった」バンドとして登場。しかしサングラスもかけ、手ぬぐいで鼻から下を覆ったその風貌は学生運動を行なう新左翼活動家のパロディにも見えた。一応ザ・タイガースのパロディバンドということになっており、それぞれのジュリー(初期リーダー)、トッポ、サリー、ピーを思わせる名前である。ゼリーは忌野清志郎の知人ということになっている。
忌野は当時「COVERS」発売中止の渦中にあり(詳細はRCサクセションの項参照)、その怒りをぶつけるためのバンドだったと評される。
- シングル「デイ・ドリーム・ビリーバー」 (モンキーズの楽曲の日本語カヴァー) でデビュー。発売当初、エースコックのCMソングに使われヒットした。
- 人呼んで「覆面バンド」とまで言われるようになり、主にそれまで洋楽の和訳やオリジナルの詞を加えるなどして活動してきた。
- その活動のさなか、フジテレビの音楽番組「ヒットスタジオR&N」にて、突然FM東京を放送禁止用語を用いて罵倒する歌を歌ったのはテレビ史上でちょっとした有名な出来事(本当は「偽善者」が演奏される予定だった。「COVERS」事件の際のFM東京の対応に不満を持っていたといわれるが、忌野自身はしばらく後同局の番組やイベントに出演している)。また大学の学園祭に飛び入り出演し、騒動を巻き起こすなどして話題になった。
- 上記の一件が原因かどうかは定かではないが、そのままバンドは自然消滅となった。
- 2006年にサントリーモルツのCMでタイマーズとして出した「デイ・ドリーム・ビリーバー」が使われている。
- 当時三宅と杉山はMOJO CLUB、川上はHILLBILLY BOPSでも活動していた。
[編集] ディスコグラフィ
- 「TIMERS」 東芝 EMITOCT-11102(再発)オリジナルは1989/11/08
- 「タイマーズのテーマ」で幕を開ける。モンキーズのカバーだが、「訳詞」(ZERRY & TOPPI)が強烈。歌詞カードを読むと「(現場作業員の習性か)俺達はタイマーが大好きで、タイマーを持って旅行したい」という内容だが、タイマー(歌詞カードではtimer)が「大麻」に聞こえる。公然と「大麻が大好き」「大麻を持ってる」「君とトリップしたい」と歌ってのけるのである(ゼリーは当時のインタビューで「バンド名の候補にマヤクズやヘロインズもあった」と発言している)。他にも時の総理大臣をおちょくったり、原子力発電所を原子爆弾に例えたり、昭和天皇死去の際の自粛をあげつらってみたりとやりたい放題。ただし、忌野得意の言葉遊びが随所にちりばめられ、曲調もフォーク、ブルースなど多彩で、音楽面での完成度も高いアルバムである。
- 「復活!!THE TIMERS」 東芝EMI TOCT-11101(再発)オリジナルは1995/04/26
- 日清パワーステーションでのライヴ。「プロパガンダ」「偽善者」「国名改正論(「逃げ腰」という国の国民)」「覚醒剤音頭」「宗教ロック」と危ない曲名が並ぶ。
- 「不死身のタイマーズ」 1995/04/30