タイガースープレックス
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タイガー・スープレックス(Tiger suplex)とは、プロレスの投げ技の一つで、スープレックスから派生したものである。初代タイガーマスクがフィニッシュ・ホールドとして最初に使用したため命名された。
歴代のタイガーマスクの必殺技だが、2代目の三沢光晴や3代目の金本浩二は、マスクを脱いだあともこの技を得意技としている。日本名は、猛虎原爆固め。
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[編集] かけ方
自分の腕を相手の腰でなく腕に回し、背後から相手の腕をかんぬき状(ダブル・チキンウイング)に極めて、そのまま後ろに投げる技。腕を固められたまま投げられるため受身が取れず、大きなダメージとなる。また、下手にフォールを返そうとすると肩の関節を外してしまう危険がある。開発者の初代タイガーマスク佐山聡によれば、ブリッジ力がしっかりしていれば、それほど困難な技ではないという。当初はそのブリッジを利用してフォールする技だったが、後に投げっぱなし式も使われ始めた。
なお、相手の背中に手のひらを当てた状態から投げていた初代ものとは違い、2代目タイガーマスク(三沢光晴)は自らの両手をクラッチして投げていた。プロレスファンの一部はこれを別の技とみなし、タイガースープレックス'84と呼ぶ。
[編集] 原型
原型と言われる技にオースイ・スープレックス(豪州式原爆固め)がある。腕を固めた後、投げずに尻餅をつくような体勢から後方に丸め込む技である。マイティ井上が使用していたほか、丸藤正道も得意としている。オーストラリア人であるロイヤル・カンガルーズのアル・コステロが使用していたために「オースイ(オージー)」の名がついた。最終的に同じ形になるが、別の技である。
[編集] 返し方
- 力で強引にクラッチを振り解く
- 急所蹴り
- 投げられた瞬間に身体を後方に回転させる(丸藤正道が初披露)
[編集] 主な使い手
佐山式クラッチ
- 佐山聡(初代タイガーマスク)
- 金本浩二(3代目タイガーマスク)
- タイガーマスク(4代目)
- 新井健一郎(阪神タイガース・スープレックスという名前で使用)
三沢式クラッチ(タイガー・スープレックス'84)
[編集] 派生技
- タイガー・スープレックス'85
- 「毎年、新技を出す」との公約から生まれた2代目タイガーマスク(三沢光晴)の技。ドラゴン・スープレックスのように相手の片腕を後頭部へロックしたまま、逆の腕で脇の下から首を固めて投げる技。対小林邦昭や対小橋建太など、使用実績は数回。
- タイガー・スープレックス'04('2004)
- タイガー・エンペラーの得意技。片腕をチキンウイングに固めたまま、逆の手を相手の太腿へ伸ばし、抱え式バックドロップのように後方に反り投げ、そのままフォールする。
- テキーラ・サンライズ(ミスト・クラッシュ)
- 片腕がタイガー・スープレックス、片腕がドラゴン・スープレックスという投げ技。尾崎魔弓が初めて使用し、当初は「変形タイガースープレックスホールド」と呼ばれていた。のち、ムシキング・テリーも「ミスト・クラッシュ」の名で使用している。
- デスレイク・ドライブ
- 下田美馬の得意技。雪崩式の投げっぱなしタイガースープレックス。格闘ゲーム「ザ・キング・オブ・ファイターズ」のクラーク・スティルも使用する。
- ミレニアム・スープレックス(チキンウイング・スープレックス)
- チキンウイング・フェイスロックで極めた相手を後方に投げつける技。タイガーマスク(4代目)の得意技で、1999年10月19日に公開された。