セカンド・オピニオン
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セカンド・オピニオンとは、よりよい決断をする為に、当事者以外の、専門的な知識を持った第三者に、求めた「意見」の事。または、「意見を求める行為」の事。
医療の分野の場合、患者が、検査や治療を受けるに当たって、主治医以外の医師に求めた「意見」。または、「意見を求める行為」。主治医に「すべてを任せる」という従来の医師患者関係を脱して、複数の専門家の意見を聞くことで、より適した治療法を患者自身が選択していくべきと言う考え方に沿ったものである。
セカンド・オピニオンを求める場合、まずは主治医に話して他医への診療情報提供書を作成してもらう必要がある。意見を求められた医師は、これまでの治療経過や病状の推移を把握しないことには適切な助言をすることが難しいからである。その上で、紹介先を受診し意見を求めることになる。このとき、新たな検査を必要とすることもある。
医療において近年、治療効果だけでなくクオリティ・オブ・ライフも重視されるようになってきたことから、特にこれらを両立する方法が問題となるがん治療において注目されるようになってきた。
経験のみに基づいた独りよがりな医療に陥る危険を避けられる可能性がある反面、根拠に基づいた医療が普及してきた現在、得られる意見に大きな差のないことも多く、単に治療開始時期を遅らすだけという見方もある。また、患者が主治医に内緒で他医を受診した場合には、治療経過の全体像を把握している人間がいなくなるという事態に陥ることがある。これを繰り返すことはドクター・ショッピングと呼ばれ、疾患の治療をより困難なものとする。