ズオン・バン・ミン
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ズオン・ヴァン・ミン(Dương Văn Minh, 楊文明、1916年2月16日 - 2001年8月5日)は、ベトナム共和国(南ベトナム)の軍人・政治家。ベトナム共和国大統領(1975年)。
[編集] プロフィール
メコンデルタの仏教徒の家に生まれ、サイゴンの植民地学校で学ぶ。同窓にノロドム・シハヌークがいた。
1940年代にフランス植民地軍に入隊し、たった50人しかいなかったベトナム人の将校に任じられる。ベトナム共和国成立後はベトナム共和国軍に加わり、ビン・スエン派やカオダイ教・ホアハオ教の鎮定に力を振るいアメリカ合衆国の信を得る。アメリカに一時派遣された後に1962年にゴ・ディン・ジエム大統領の軍事顧問に就任。
1963年10月30日にアメリカの黙認の下クーデターを起こし、翌日ゴ大統領と実弟のゴ・ディン・ヌー顧問を殺害。政府の実権を握った。ミンの軍事政権はアメリカ政府に歓迎されたものの、南ベトナム解放民族戦線との戦闘には注力しなかったことから軍内部の離反を招く。1964年1月30日にグエン・カーン将軍がクーデターを起こし、ミンはタイへ追放される。1968年に帰国するが、グエン・バン・チュー政権を支持せず、解放戦線とも距離を置く「第三勢力」として活動する。
解放戦線とベトナム民主共和国がサイゴンへ侵攻する寸前の1975年4月28日にチャン・バン・フォン大統領の辞任に伴い、大統領に就任。解放戦線との交渉によって戦争を終わらせることを考えていたが、解放戦線が拒絶。結局、4月30日にサイゴンに突入した解放戦線に無条件降伏した。
1983年にフランスへ出国し、その後アメリカへ移住。当地で死去した。
[編集] 関連項目
- ベトナム共和国革命軍事委員会委員長
- 1963年-1964年
-
- 先代:
- ゴ・ディン・ジエム
- 次代:
- グエン・カーン
- ベトナム共和国暫定指導委員会委員長
- 1964年
-
- 先代:
- 暫定指導委員会
- 次代:
- Phan Khac Suu
- ベトナム共和国大統領
- 第5代: 1975年
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- 先代:
- チャン・バン・フォン
- 次代:
- (消滅)