スリザーリンク
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スリザーリンク(slither link)はペンシルパズルの一種で、格子点の間に記された数字を頼りに、盤面に一つの輪を書き上げるパズルである。
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[編集] ルール
- 等間隔に碁盤の目状に配置された点の間を線分でつなぎ、盤面全体に一つの輪を作ることを目指す。
- 点の間に書かれた数字は、その数字の周囲の4つの点の間にいくつの線分が引かれるかを示す。数字の無い所は周囲にいくつの線分が引かれるかは分からない。
- 線分は、途中で分岐したり、交差したりしてはいけない。すなわち、一つの点から出る線分の数は0か2でなければならない。
- 線分が二つ以上の輪に分かれてはいけない。
[編集] 由来
スリザーリンクは、パズル通信ニコリ26号で発表された。もともと、同様の碁盤の目状の盤面に、二人が交互に線を引いていき、輪を閉じてしまったり、枝分かれを作ったりした方が負け、という「スリザー」というゲームがあり、このルールを応用して作られた「スリザーリンク」という名のパズルをニコリ編集部が改良して生まれたのが現在のスリザーリンクであるという。
なお、英語で slither とは「蛇のようにずるずる進む」という意味である。
[編集] 例題
[編集] 問題
[編集] 解答
[編集] 解法
スリザーリンクを解くにあたっては、「どこに線が引かれるか」と同様に「どこに線が引かれないか」を探すことが重要になる。確実に周囲全てに線が引かれない「0」は大きなヒントになる。スリザーリンクを解く際には、線が引かれないことが確定した部分に×印を付けることが多い。
また、複数の数字の組み合わせにより線の引き方が定まるパターンがある。例えば、例題中にもあるように
0 3
という数字の並びがあったならば、その周囲は
| x x+-+x x0x3| x+-+x | x
というように印が付けられる。このようなパターンを「定理」と呼ぶ。定理を駆使して問題を解くことと同時に、定理を探求することも、このパズルの楽しみ方の一つである。
[編集] 別称一覧
スリザーリンクはニコリの登録商標である。そのため、ニコリ以外の出版社では他の名称を使用している。
以下にその一覧を示す。
- On the Dot(第7回世界パズル選手権で出題されたときの名称)
- ナンバーライン(Number line:技術評論社)
- ナンバーループ(Number loop:ビデオ出版)
- ルーピング(Looping:講談社ペック)
- ループコースパズル(Loop course puzzle:学習研究社)
- ループメーカー(Loop maker:世界文化社)
- ロジカルサーキット(Logical circuit:日本文芸社)
英語圏などにおける正式名称は Slither Link であるが、「スリザー」をローマ字表記した Suriza が使用される場合もある。他に、Fences,Loop the Loopなどと呼ばれることもある。
[編集] コンピュータゲームのスリザーリンク
- PC-9800シリーズ版
- Bsatより1993年ごろ発売。問題は過去に発売されたニコリ本誌や単行本に収録されている問題である。
- ワンダースワン版
- バンダイより2000年4月20日に発売。問題がニコリ提供の90問であるにとどまらず、パッケージ・タイトル画面がペンシルパズル本のデザインを踏襲していたり、ゲーム中にニコリを代表とするキャラクタが登場するなどニコリ協力を意識したつくりになっている。
- Windows98~XP版
- サクセスより2001年5月25日に発売。製作はゲームスタジオ。
- ニンテンドーDS版
- ハドソンより2006年11月16日に発売。同社のパズルシリーズ第5弾。ニコリが出題協力している。