スジエビ
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スジエビ | ||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||
Palaemon paucidens | ||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||
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スジエビ(学名Palaemon paucidens)とは、甲殻類・エビ目・テナガエビ科に分類されるエビ。広義にはPalaemon属(スジエビ属)に分類されるエビ類の総称。
体長は4~5㎝ほどになる。ヤマトヌマエビとくらべると背中がへこみ、腹部の中央(いわゆる"腰")が曲がる。テナガエビの仲間らしく脚が長く、脚のハサミもヌマエビ類に比べて大きい。眼柄(目)は左右に飛び出している。体色は半透明で、黒い横しまが体の各所に入るためこの名がある。横しまの太さは個体や地域で若干の変異がある。
日本各地の川や池などの淡水域にすむが、汽水域にも生息している。昼間は石の下や水草の茂みの中にひそんでおり、夜になると動きだす。タモ網などでつかまえることができ、このエビを漁獲するための「しばづけ」などの漁法も各地にある。
藻類などを食べることもあるが、食性はほぼ肉食性である。ミジンコなどのプランクトンやアカムシなどを捕食し、動物の死骸によく群がる。大きな個体はメダカなどの小魚も襲って捕食する。えさを食べる際は歩脚の先のハサミでえさを小さくちぎり、忙しく口に運ぶ動作を繰り返す。また、小さな動物は歩脚で抱きこんで食べる。
おもに釣りなどの活餌として利用され、釣具店の店頭によく並んでいるエビはたいていこのスジエビ類である。呼び名も「モエビ」「カワエビ」など多彩な呼び名がある。また、食用にもなり、まるごと唐揚げにしたりして食べられる。
飼育自体は難しくなく、魚用の固形飼料をよく食べるが、小さな魚を一緒に飼うと捕食してしまい、えさ不足ともなれば共食いもする。個体数を維持するにはえさ不足に陥らないよう注意する必要がある。
卵はふ化するまでメスが腹脚にかかえこんで保護する。ミナミヌマエビと同じく淡水で繁殖できるが、地方によっては発生に塩分が必要な両側回遊型も存在する。飼育下での産卵もよくおこなうが、子エビは親エビに捕食されやすいので隔離するほうがよい。
[編集] ほかのスジエビ類
汽水域や海岸部にもスジエビの仲間は生息しており、スジエビと同じように活餌や食用で利用される。
- イソスジエビ Palaemon pacificus
- スジエビモドキ Palaemon serrifer