スクロールバー
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スクロールバー(Scroll Bar)は、主にウィンドウシステムにおいて単一のウインドウ内で収まりきらない情報の部分領域だけ表示し、必要に応じて表示領域を移動する為のGUIパーツのことをいう。水平方向、垂直方向の二種類があり、それぞれを水平スクロールバー、垂直スクロールバーとよぶ。なおスクロールバーはユーザー側からみた呼び名で、プログラム上ではスクローラー(Scroller)と呼ばれる場合がある。
スクロールの原義は「巻物」のことである。画面を移動する操作が長い巻物を巻き上げる様子に似ている事から、スクロールと呼ばれるようになった。
[編集] 概要
スクロールバーは複数のパーツからなる複合コンポーネントである。
- ノブ
- いわゆるつまみ。現在表示されている位置や、全体に占める割合などを表現する。ノブをドラッグすると表示領域を移動する事ができる。この時内容がリアルタイムで更新される場合(ライブスクロール)と、ノブを放した時に更新される場合がある。近年のコンピュータは性能が向上しているので、ほとんどがライブスクロールである。
- アロー
- 上下(左右)の矢印で、クリックするとその方向にノブが一単位移動する。移動量はおおむねテキスト一行程度である。多くはボタンを押し続けると連続移動を行なう。アローの配置には二つの流儀があり、スクロールバーの両端に別れて配置される場合と、一方の端にそろえて配置される場合に分かれる。前者は機能の表現として自然であるが、動作の集中する後者の方が移動の効率は良い。
- 本体
- スクロールバーの本体はノブとアローを適切に配置し、制御する役割を負う。
[編集] スクロールバーの配置
本体の配置にも複数の流儀がある。最も標準的な配置はウインドウ内の右と下にそれぞれ垂直、水平のバーが置かれるケースである。この形は初期のMacintoshから普及した。
垂直スクロールバーは左側に配置される場合もある。これはGUI上の表現では重要な機能が左側に集中する事が多く、移動や視点の効率が良いと考えられるからである。また、アラビア語のように右から左に向かって記述する言語版のGUIでは、垂直スクロールバーは左側に配置されるのが一般的である。一方水平スクロールバーはほとんどの場合下側に配置される。水平移動はあまり一般的な操作ではなく、画面上部の主要な機能の妨げになる事を避ける為であろう。
また時折スクロールバーがウインドウ外部に置かれる場合もある。これはマウスのロールオーバーを検出して、アクティブなウインドウにスクロールバーが追随する形式である。この場合ウインドウ内に固定されたスクロール領域をとらずにすむので画面効率で有利である。反面ウインドウがスクロール可能かどうか、全体の大きさがどれぐらいかが一見では分からないが、
- スクロールしそうな内容は見れば判別がつく
- バーの大きさだけで全体の大きさが直感的に理解できるわけではない
と考えられるので大きな不便にはならない。この種のスクロールバーはSqueakなどでみることができる。
[編集] インターフェースとしてのスクロールバー
スクロールバーは画面の固定領域を占有し、また情報を覆い隠してしまうので、利用を可能な限り避けるべきである。とはいえ画面の大きさには限りがあり、必要な大きさが事前に分かっているケースはまれである。またホイールを使えば移動の補助は可能だが、全体の大きさや位置はやはり必要となる。
他に代替手段としては、3Dを活かしてズームにより全体を移動するインターフェースなどが考案されている。