ジャギ
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ジャギは、漫画『北斗の拳』に登場する、架空の人物。
[編集] 声の出演
[編集] 人物
ケンシロウが伝承者に選ばれたのに嫉妬し、ケンシロウに挑みかかり返り討ちに遭うが、自ら秘孔を突くことで一命を取り留める。それを怨んで自ら胸に七つの傷を刻み、ヘルメットで素顔を隠してケンシロウを騙り暴虐をはたらく。しかし結局は彼の言動で数多くの人間の運命を翻弄させた事に対するケンシロウの底知れぬ怒りを買って容赦なく倒される。断末魔は「ばわ」
後にアミバと共に、拳王を名乗っていた義兄ラオウの指揮下にあった事がトキによって明らかにされるが、後付けかと思われる。長兄・ラオウ、次兄・トキ、三男・ジャギ、末弟・ケンシロウの四名が北斗神拳伝承者候補であったのだが、後に「北斗の兄弟」を語る際には除外されている。後付の設定とはいえ、ケンシロウとラオウ・トキ兄弟何れもが北斗宗家の流れを汲んでいる事になってしまった為、逆に言うとジャギの存在そのものが(彼も北斗宗家の流れだった、という後付設定でもしない限り)矛盾の塊、という事になってしまったが為である。
この謎の回答は、実は原作者自身が週刊少年ジャンプ別冊の北斗の拳特集本(1987年)の中で、「破壊者になったのは伝承者争いに敗れたからで、もともとは拳法の才能豊かな人物だった」とフォローしながらも、「北斗神拳の伝承者争いにはジャギのような毒が必要だったからリュウケンは養子にした」と解説して明らかにしている。このことからジャギは始めから伝承者争いのための当て馬として養子に迎えられたことが分かり、ゆえに北斗宗家以外の存在でありながらリュウケンの養子となることが出来た模様である。
ヘルメットの下の素顔には、かつてケンシロウの攻撃により歪まされた部分をボルトで矯正した跡があり、部下が震えるほどの異様な風貌である。
レイの妹・アイリを略奪・後に売り飛ばしたり、ケンシロウと戦わせるためにシンをそそのかして欲望に走らせたり、さらに勝つためには手段をいとわず、拳の戦いで含み針やショットガンを用いるなど卑劣極まりない性格で、「漢」ばかりが登場する劇中では異彩を放つ存在である。
また、拳王の下で学んだと思われる南斗聖拳も駆使するが、ケンシロウに「スロー」「シンの足元にも及ばない」と酷評されている。しかし中途半端とはいえ南斗聖拳を短期間で習得しているあたり、拳法の才能があるというのは事実のようである。
原作・テレビ共にごく短期間の登場でありながら、「おい、お前、俺の名を言ってみろ!」という名台詞で、強烈な印象を読者・視聴者に与えた。しかし名前をジャキと間違えられることが多いキャラクターである。アミバ同様に別な意味で人気があり、プレイステーションの『北斗の拳 世紀末救世主伝説』では初回購入特典としてジャギ様メダル胸像が製作された。
なお、ヘルメットのデザインは、TVドラマ版スケバン刑事(第2シリーズ)に流用された。