シティサイクル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
シティサイクルは自転車の一種で、名前のとおり街乗りに適した設計をされているが、軽快車(いわゆるママチャリ)とは異なり、スカート穿きを前提としてはいないものを指す。ただしシティサイクルも広義の軽快車に含まれるとする意見が強い。
呼称については議論の対象となっている(後述)が、本項ではメーカーによる一般的な呼称に従う。
用途や構成部品が軽快車に似ているため混同されやすいが、軽快車と比較して、
- アップハンドルではなく、セミフラットハンドルを備える(セミフラットハンドルがTの形に近いことから俗称はTチャリである)
- フレーム形状は車種により差はあるものの、軽快車と同程度、あるいはそれよりもトップチューブが高い位置にある場合が多い
- ただし逆に、トップチューブが存在しない車種もある
- ドレスガードを装備しない
- 前かごはあるが、リアキャリアは省略される場合が多い
- スタンドが片側式である
- 変速機は軽快車同様になし、あるいは3速のものが主流だが、6~7速のものを備えた車種も多い
- リフレクターが泥除けではなくボディについている
などの特徴があり、軽快車に比べて簡便性や走行性能を重視している。ただし後年登場したクロスバイクのような半スポーツ車ではなく、あくまでも一般生活用の自転車である。しかし中には廉価版クロスバイクとして近距離のサイクリングに用いる消費者も存在する。
最近ではクロスバイクの車体にシティサイクルのような装備を施した、かご付きクロスバイクと称する折衷車種も登場している。
[編集] 名称をめぐる混乱
上記のように軽快車とシティサイクルは混同されがちだが、そこからその呼び分けをどうするかについては意見の分かれる場合が見られる。 実際の車体を見れば「スカート履きに適した自転車」と「それよりも走行性能を重視した自転車」に大別されるのは明白だが、それぞれの呼称については
- 軽快車 / シティサイクル
- 婦人車 / シティサイクル
- 婦人車 / 軽快車
- 快適車 / 軽快車
など、呼び分けは必ずしも一定しておらず、会話において混乱をまねく場合がある。これは軽快車の定義が明確になっておらず、「街中を軽快に走る実用性の高い自転車」とした場合にシティサイクルや通学車なども含まれてしまうことによる。