サード・ウォッチ
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『サード・ウォッチ』(Third Watch)はアメリカ合衆国のテレビドラマシリーズ。ワーナー・ブラザーズ テレビジョン制作で1999年(第1シーズン)から2005年(第6シーズン)までNBCで放映された。日本ではWOWOWで初放送され、2006年4月14日(第6シ-ズン最終回)で放送を完了した。Super! drama TVなどでも放送されている。
舞台はアメリカ・ニューヨーク。この街を守る三つの機構NYPD、FDNY、ERの警察官、消防士、救急隊員に焦点を当て、最も事件・事故が多発するという午後3時~11時までの勤務時間“サード・ウォッチ”に勤務する彼らを描いた物語である。第4シーズンよりWOWOWでは『NY事件ファイル』というサブタイトルが付くが、これ以降と以前では作風に若干の違いがある。
企画・制作総指揮はジョン・ウェルズである。彼はご存じの方も多いと思うが『ER緊急救命室』も担当しており、ER第8シーズンの19話でサード・ウォッチ第19話とクロスオーバーもある。アメリカでは終了を惜しむ声も少なくない。(timsのテレビ批評欄等でも取り上げられている。)反面9.11の取り上げ方についての批評も多くある。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 内容
[編集] あらすじ
※第一話より
ニューヨーク市警察第55分署のパトロール警官であるサリバン巡査・通称サリーは、分署長から新しいパートナーがつくことを知らされる。それはかつてのパートナーの息子であるタイロン・デービス巡査だった。タイロンの父親はパトロール中に公園で射殺されており、その事件で心に重荷を背負っているサリーは、タイロンを心配する気持ちからこれを渋るも命令には逆らえず、タイロンをパートナーとして向かいいれる。同じく55分署の血の気が多いボスコレッリ巡査・通称ボスコは、相棒のヨーカス巡査を引き連れて「おいしそうな仕事」だけ追い求めている。彼にとって「おいしい仕事」とは銃を撃ったり、殴り合いになるような暴れられる事件のみであり、些細な喧嘩やトラブルなどは無線の呼び出しにも応じず隠れている。パートナーのヨーカス巡査は彼より年上の既婚女性で、そんなボスコを我が子のように思う気持ちで耐えながら、日々の任務をこなしていた。
同じ頃、ニューヨーク消防第55分署には、新人救急隊員のカルロスが配属されていた。初日から多数の死体を見て右往左往。教育係の通称「ドク」ことパーカーに叱咤されつつ、ドクとそのパートナーのジェリーと共に仕事を黙々とこなしていく。新人ゆえに生真面目な服装に反比例して手際は悪く、またホモっぽく迫るジェリーの冗談を間に受け困惑する。また同じく救急隊のボビーは、パートナーであるキムに好意を寄せながらも、それを告げられずにいた。キムは何でも話せる親友のような間柄ではあるが、彼女は元夫で同じ分署の消防士であるドーティとの関係を少なからず引きずっていた。彼の悪口をボビーに愚痴りながらも。そのドーティは女癖が悪く、ギャンブル好きで借金だらけというだらしなさはあるが、消防士として優れた能力を有していた。
タイロンとカルロスが迎えた勤務初日の夜。アパートで発砲事件が発生し、負傷者が出たとの通報が入った。出場したドクら救急隊は警察より先に現場に到着。3人が集合玄関から内部へ入り、階段を昇ろうとすると、先頭を歩いていたジェリーが出会い頭に現れた犯人に銃で撃たれる。発砲に驚き、とっさに物陰に隠れたドクとカルロスはそのまま身動きが取れなくなる。遅れて到着したサリーとタイロン。サリーはタイロンに通に面した路地入り口で待機するよう指示し、自分はアパートに入る。そこには物陰にいて動けないでいるドクとカルロス、一階の床で血を流し仰向けに倒れているジェリーがいた。サリーは建物内にまだいるであろう犯人を捜索をしようとするが、指示を無視したタイロンが中に入ってきてしまい、しかもそのまま犯人を追って闇雲に内部を走り回る。結局は犯人を見つけることは出来なかった。タイロンが指示を無視して路地にいなかったため、そこが脱出口となってしまったのだ。サリーは取り逃がした犯人を刑事より先に捕まえようと、独自に聞き込みを開始する。
[編集] 配役
[編集] ニューヨーク市警察(NYPD)
"55チャーリー"
- ジョン・サリバン巡査:スキップ・サダス
通称はサリー。かつてはタイロンの父親とパートナーであったが、公園をパトロールしているときに彼が射殺され、以降心に重荷を負っている。タイロンのことは子供の時から知っている。シリーズ当初は独身の冴えない中年男だったが、後に結婚する。
- タイロン・デービス巡査:コビー:ベル
通称はタイ。亡き父に憧れを抱いて警官になった。熱意とやさしさを持つ好人物だが、生真面目な性格故に度々悩んだり、問題を抱えることになる。背が高いので、消防とのバスケットボール対抗試合に借り出されるが、ヘタで大して役に立たなかった。かつて父親と親しかったキャンディマンとは、仕事に対する姿勢の違いから対立する。
"55デービット"
- フェイス・ヨーカス巡査:モリー・プライス
二人の子供を持つお母さん。夫のことを愛しているが、彼がアルコールの問題を抱えていることで悩む。基本的に親切で法に忠実な良い警官だが、子供を巻き込んだ犯罪を憎悪し、そういった犯罪者に対しては良識的警官の枠を超えた対処をしがち。10歳の少年に殺人を行わせ、さらにその少年まで殺そうとしたストリートギャングのボスは、証拠と証言が不十分で立件するのが難しいことから、対立するギャングの縄張りに捨てリンチの餌食にした。後に刑事試験に合格し、昇進する。演じるモリー・プライスは、この作品にボランティアのエキストラとして出演していたNYFDの消防士と結婚した。
- モーリス・ボスコレリ巡査:ジェーソン・ワイルズ
通称はボスコ。銃と車が好きで気が短く、人種差別や同性愛者差別と思われる発言をし、自分をコケにした犯罪者は殴り倒し、犯罪者を追って恐怖もなく路地に駆け込み、女癖が悪くパトカーの中で分署長の娘とセックスをするなど、深謀遠慮という言葉とは無縁。だが父親から虐待を受けた子供の話を親身になって聞いてあげたり、裕福な一家の中で侮辱を受け続け、ついには銃を取り出す男には共感を示して説得するなど、弱い立場の人には親身になって接する。
その他
- コンラッド・ジョーンズ巡査:ウェンデル・ピアース
通称はキャンディマン。徒歩でパトロールしている警官。普段からキャンディを持ち歩き、それで子供らを手懐けていることからそうあだ名された。住民を良く知っていて親しくしており、皆に人気があるが、実は癒着や汚職に手を染めている。食堂ではただで食事をさせてもらったり、違法薬物の密売人からあがりを掠め取ったりしている。そのあがりの分け前をタイに無理やり押し付けようとしたことから、二人は仲たがいをするように。警察の上のほうからは疑念の目で見られており、一度は内務調査のおとり捜査に引っかかりそうになったこともある。