サルコイドーシス
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サルコイドーシス (Sarcoidosis) とは、原因不明の類上皮非乾酪性肉芽腫を認める疾患である。多発・多臓器にわたることがある。
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[編集] 成因
原因は不明である。グラム陽性の嫌気性細菌であるアクネ桿菌 (Propionibacterium acnes)が原因とする説もある。ストレス等が遠因だが、詳細は不明。
[編集] 疫学
有病率は人口10万人当たり2.2人で、男女別では男性1.7人、女性2.6人と女性に多い病気である。好発年齢は20~30代と50~60代の2峰性を示す。地域別に見ると、北部が南部と比較して発症者数が多い。
[編集] 症状
- 心サルコイドーシスによる不整脈は致死的となることがある。
- 肺の両側肺門リンパ節腫脹 (bilateral hilar lymphadenopathy;BHL) は、特徴的とされる。咳症状を訴える。
- 眼症状としてブドウ膜炎を合併することがある。目のかすみ症状を訴える。
- 皮膚症状として結節性紅斑などを認めることがある。
[編集] 検査
- CT、胸部X線検査
- 肺門部のリンパ節腫脹が見られる。
- 健康診断で胸部X線を行った結果、偶然見つかることも多い。
- 血液検査
- ACEが高率で上昇する。類上皮非乾酪性肉芽腫が産生するとされる。
- 経気管支的肺生検(TBLB)
- 気管支肺胞洗浄(BAL)
[編集] 治療
自然寛解が多いため、経過観察することが多い。心筋病変、中枢神経病変がある場合、肺や眼の症状が悪化している場合はステロイド治療を行う。
[編集] 予後
80~90%は2年以内に無治療で治癒する。5%は進行性である。心臓や中枢神経に病変が及んだ例や、肺線維症を起こしてしまった場合は予後が悪い。
[編集] 関連事象
[編集] 外部リンク
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