ゲイリー・ギルモア
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ゲイリー・ギルモア(Gary Gilmore、1940年12月4日 - 1977年1月17日)は、アメリカの犯罪者。元死刑囚。1976年に弁護士を通じて死刑を要求し全米から注目されるなか執行される。当時、死刑の廃止の潮流にあったアメリカの流れを変えるきっかけになった。
[編集] 生涯
1940年、テキサス州で四人兄弟の次男として生まれる。両親は不仲で家庭内暴力が絶えない環境で成長する。10歳で盗みを始めて犯罪をしては逮捕されるのを繰り返した。高い知能と絵の才能があったにもかかわらず感化院、州刑務所、連邦刑務所と人生の半分以上を塀の中で過ごす。獄中でも凶暴で独房に頻繁に放り込まれ他の囚人に重傷を負わせたこともあった。強盗罪で11年の刑期を終え1976年4月に出所後ユタ州オレゴンに住む。そこで恋人と同棲を始めるがまたしても盗みを繰り返したため愛想を尽かされて出て行かれてしまう。
7月19日、鬱憤が溜まって町をドライブしていた時、衝動的にガソリンスタンドを襲い強盗をした後、店員を射殺した。翌日もモーテルを襲い管理人を射殺した。この時の目撃者が元で逮捕された。
10月の裁判では有罪となり、死刑を宣告された。ユタ州の死刑制度では死刑囚は執行形式を銃殺刑か絞首刑かのいずれかを選択することが出来るため、銃殺刑を選んだ。アメリカでは1967年の死刑制度再検討のためのモラトリアム実施以来、世界的な流れもあって死刑執行が停止されていた。ところがこれ以上の刑務所生活を望まないギルモアは新しく弁護士を雇い死刑にされる権利を州知事に要求する。しかし叶わなかったことから恋人と同時刻に睡眠薬を飲み自殺を図るが失敗した。この頃にはマスコミの注目の的になっていた。
家族は、最後まで説得したが聞く耳を持たず最終的には権利を勝ち取った。執行前にはハンガーストライキを行い、1977年1月17日、本人の希望どおりに複数の銃撃者により処刑された。
[編集] 死後
- その後、アメリカでは死刑が再開されるようになった。
- 生前、獄中インタビューをした作家ノーマン・メイラーは『死刑執行人の歌』を執筆。ピューリッツアー賞を受賞した。
- ギルモアの末弟マイケル・ギルモアは、音楽ライターとなり、7自身の一族の物語『心臓を貫かれて』を発表し話題を呼んだ。他の兄弟とともに、一族の血を後世に残す気がないために子供をつくらなかった。
[編集] 関連作品
- 『死刑執行人の歌』ノーマン・メイラー著
- 『心臓を貫かれて』マイケル・ギルモア著 村上春樹訳
カテゴリ: アメリカ合衆国の犯罪者 | 死刑 | 1940年生 | 1977年没