ケネディ宇宙センター
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ケネディ宇宙センター(John F. Kennedy Space Center 略:KSC)はアメリカ航空宇宙局 (NASA) のスペースポートで、フロリダ州メリット島のケープカナベラルにある。マイアミとジャクソンビルの中間の位置で、長さ55km、幅約10kmで 567 km² の広さがあり、約17,000人が働いている。一般観光者に公開されている部分があり観光スポットにもなっている。北の隣は国立の保全地(Canaveral National Seashore)で、センター敷地の大部分は安全・環境保全のため立ち入り禁止のため、大型猛禽類やワニの生息する野生動物のサンクチュアリともなっている。
ケネディ宇宙センターが運用するのは打ち上げ発射台39A、39B、着陸用滑走路を含むスペースシャトル関連設備だけである。無人ロケットの運用はアメリカ空軍によって運営されているケープカナベラル空軍基地 (北緯28度28分03秒・西経80度34分00秒)(CCAirForceStation) にて行われている。
[編集] 歴史
1949年に、ハリー・S・トルーマン大統領が長距離ミサイルのテスト基地としたのに始まる。アメリカの中で赤道に近いので地球の自転速度が有効に利用できることと、自転速度を利用するために東に向かってロケットを打ち上げる場合に、大西洋が開けていて切り離されたロケットや事故で被害がでにくいこと、などからロケットの射場に選ばれた。
最初のロケットの発射は1949年になされた。ソ連のスプートニク1号の成功の後アメリカ最初の海軍の軌道衛星ヴァンガードは1957年12月に実験されたが、失敗した。1958年にNASAが設立され、ケープカナベラルは主要な発射基地となった。アメリカのミサイルの発射実験はすべてここで行われた。
月飛行計画の発表とともに基地は拡張され1963年11月、John F. Kennedy Space Center に改名された。ケープカナベラルの地名もケープケネディと改名されたが、これは1973年もとに戻された。