ギガノトサウルス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ギガノトサウルス |
||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
分類 | ||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||
種 | ||||||||||||||||||
|
ギガノトサウルスは白亜紀中期(約1億~9000万年前)、アルゼンチンに生息した獣脚類の一種であり、大型肉食恐竜として有名なティラノサウルス・レックス(T・レックス)に並ぶ世界最大級の獣脚類の仲間の一つである。
目次 |
[編集] 特徴
完模式標本(MUCPv-Ch1)は約70%完全で、頭、骨盤、足の骨と大部分の背骨を含んでいる。また、模式標本より8%大きい標本(MUCPv-95)が発掘されている。最大のギガノトサウルス標本は体長14.3m、体重は最高8-9tと推定され、現時点で発表されている世界最大のT・レックスの標本である、フィールド自然史博物館のスー(FMNHPR2081)でさえ頭骨の全長が1.5メートルであったのに対し、ギガノトのそれは1.7メートル以上もあり、体重もティラノサウルスより1~2トンほど重かったと言われている。
体はT.レックスより大型、重厚であったが、比較的細長くて、小さな頭蓋を持っていた。動物の強さは顎の力によって推し量る基準があり、T・レックスの頭蓋骨が幅も厚みもあるため相当に顎の力が強かったと容易に予測出来るのに対し、ギガノトサウルスのそれは大変細長い為、大きい身体から比べれば、顎の力は案外弱かったかもしれない。 但しそれは、あくまでT・レックスと比較によるもので、明らかに南半球での王者の一種であったのは間違いないであろう。 T・レックスとギガノトサウルスは良く比較対象にされているが、単純に身体が大きいからといってギガノトサウルスの方が強いとはいえない。なぜなら、同時に生息していない生物での比較はさまざまな条件が異なるため意味を成さないからである。
保存された脳函からギガノトサウルスの脳がバナナ程度のサイズであったとされる、しかしよく発達した嗅覚野の存在から良い嗅覚を持っていた可能性が示される。 ティタノサウルス科の化石がギガノトサウルスの化石の近くで発掘されるため、これらの巨大な草食動物を捕食したと推測される。
[編集] 歴史
模式種であるG.caroliniiは、1993年に、Ruben Carolini(パタゴニアのRio Limay塁層の堆積物で化石を発見したアマチュア化石のハンター)にちなみ命名された。 属名「ギガノトサウルス」は、ギリシア語のGiga(「巨大な」)、notos(「南風」)とsauros(「トカゲ」)に由来する。1995年にRodolfo CoriaとLeonardo Salgadoによりネイチャー誌で発表され。最初の化石はアルゼンチン、NeuquenのCarmen Funes Museumに保管されているが、レプリカが他の博物館でも公開されている。
[編集] 分類
北アフリカのカルカロドントサウルスとともにカルカロドントサウルス科とされ、アフリカ大陸と南米大陸の分離が遅かった証拠とされる。
[編集] フィクションでの扱い
BBC製作のDVDシリーズ、「ウォーキングwithダイナソー」によって、大変リアリティー溢れる映像化をなされている事でも有名である。