オリンピック賛歌
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オリンピック賛歌(オリンピックさんか Olympic Anthem)とは、オリンピアード競技大会、オリンピック冬季大会の開会式、閉会式等の式典やIOC総会などで演奏される。作詞コスティス・パロマ、作曲スピロ・サマラ。1896年4月6日(グレゴリオ暦)、第1回夏季・アテネ大会の開会式において演奏された。その後、オリンピックでは賛歌が演奏されなかったり、別の賛歌が演奏されたりして、この曲は忘れ去られていたが、たまたま、賛歌の古い楽譜がギリシャで見つかり、NHK交響楽団が、あらためて採譜、編曲して、1958年5月、東京で開かれた第55次IOC総会の開会式で演奏、披露した。IOCは日本の善意と曲の素晴らしさに感激、以後この曲を公式に認定し今日に至っている。
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[編集] 演奏形態
オリンピックの公式セレモニーでは、上述のIOC総会後初の夏季五輪となった第17回夏季・ローマ大会(1960年)より使用されており、以後オリンピック憲章に従い、夏季・冬季大会とも開会式でのオリンピック旗掲揚、閉会式での降納の際に演奏されるのが通例となっている。
演奏形態としては、開催国の言語で合唱という形式が一般的であったが、第17回冬季・リレハンメル大会で、地元・ノルウェーの女性シンガーであるシセル・シルシェブーが歌い出し部分をアカペラで独唱したことは形を打ち破った衝撃的演奏方法として世界に広く知られる所となった。その前の第25回夏季・バルセロナ大会の開会式ではテノール歌手のアルフレード・クラウスが、閉会式では「三大テノール」のひとりであるプラシド・ドミンゴがそれぞれ独唱し、その後の第27回夏季・シドニー大会、第19回冬季・ソルトレークシティ大会でも、閉会式のみ地元のオペラ歌手が独唱している。
一方、第16回冬季・アルベールビル大会と第20回冬季・トリノ大会では、開会式・閉会式とも合唱を含まず、オーケストラの演奏のみでオリンピック旗を掲揚・降納する形態が取られている。
日本で開催された過去3回の大会(東京・札幌・長野)では、全て以下の日本語歌詞による合唱の形態であった。
[編集] 日本語歌詞
- 訳詞: 野上彰
大空と大地に 生気溢れて 不滅の栄光に輝く
高貴と真実と 美をば創りし 古代の御霊を崇めよ
全ての競技に 奮い立てよ
緑の枝の栄冠を 目指して此処に戦うものに
鉄の力と新たなる精神を与えよ
野山も海原も 今こそ煌めく
真紅と純白の神殿に
世界の国民(くにたみ)
四方(よも)の国より
聖なる園に 集い来(きた)るは 古き昔の
永遠(とわ)なる精神の 御前(みまえ)にひれ伏すためぞ
[編集] ギリシャ語歌詞とギリシャ語歌詞のアルファベット表記
Αρχαίον Πνεύμ'αθάνατον, αγνέ πατέρα Στο δρόμο και στο πάλεμα και στο λιθάρι, Κάμποι, βουνά και πέλαγα φέγγουν μαζί σου |
Arhéon Pnévm'athánaton, agné patéra Sto drómo ke sto pálema ke sto lithári, Kábi, vouná ké pélaga féngun mazí sou |
下記の外部リンク「OLYMPIC ANTHEM SYDNEY VERSION」はギリシャ語で歌われており、この「OLYMPIC ANTHEM SYDNEY VERSION」が夏季・シドニー大会の開会式で歌われたオリンピック賛歌である。
[編集] パラリンピック賛歌
ちなみにパラリンピックではパラリンピック賛歌が演奏される。夏季パラリンピック・冬季パラリンピックの開閉会式にて演奏される。1997年に国際パラリンピック委員会によって制定された。歌詞はなく、演奏のみとなり、1998年の長野大会では、バイオリンによる演奏が行われた。
[編集] 外部リンク
- OLYMPIC ANTHEM TORINO VERSION(「THE OLYMPIC ANTHEM」の「Video」をクリックして聴取可能)
- OLYMPIC ANTHEM ALFREDO KRAUS VERSION(オリンピック旗入場の際はオリンピック賛歌とは別の曲をアグネス・バルツァが歌っている)
- OLYMPIC ANTHEM
- MIDIファイルその1
- MIDIファイルその2
- MP3ファイルその1
- MP3ファイルその2
- WMAファイル
- Waveファイルその1
- Waveファイルその2(OLYMPIC ANTHEM SYDNEY VERSION)
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