オイルマネー
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オイルマネー (Oil Money) とは、主にOPEC加盟国の石油輸出による経常黒字で蓄積された資本を指す。1973年のオイルショック後に発生した資本で、石油取引がほとんどドルで決済されていたことから、オイルダラーとも呼ばれた。OPECには中東諸国が多いため、中東のアラビア資本をさすことが多い。
この語は和製英語で、正しい英語表記は「ペトロダラー (Petrodollar) 」である。これは「ペトロリアム(petroleum:石油)」と「ダラー(dollar:ドル)」の合成語である。
[編集] 概要
オイルショック後、石油を高値で輸出することが可能になった石油輸出国には多額のドルが流入するようになった。国内への資本投下や財政支出などに用いられたが、使途が見つからなかった余剰資金が国際短期金融市場に流入することになった。
この頃から、国際金融界において突如現れた産油国資本へ注目が集まるようになった。オイルマネーはユーロカレンシー市場を経由してほとんどがアメリカの金融市場へ流入していた。当初、流動性の高い短期資金であったが次第に運用結果を重視するようになった。
アラビア諸国の資本という性格が強いが、石油価格ほどに政治的な思惑が絡むことはなく、あくまで利回りを重視する傾向が強いと考えられている。
1970年代には高い石油価格を背景に膨張を続けたが、1980年代に入ると先物市場の形成で、産油国による石油価格決定力が低下したため石油価格は低迷。産油国の脱石油依存を狙った国内投資が増大したこともありオイルマネーの影響力は低下した。
2004年以降、国際的な流動性過多から商品市場の価格高騰が起き、産油国は再び多額の輸出対価を得ることとなり注目を集めている。