エリザベス・フィリップス・ヒューズ
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エリザベス・フィリップス・ヒューズ(Elizabeth Phillips Hughes、1851年-1925年)は、ウェールズの教育者。1884年から1899年までケンブリッジ大学の初代女子師範部長(The first Principal of the Cambridge Training College for Women)を務めた後、安井てつの招きによって1901年来日。『英国人の立場より見たる女子教育』の講演を行い、出席した三輪田真佐子、津田梅子らに影響を与えた。また、この講演のなかで当時最新の体操法としてスウェーデン体操を推奨し、日本に広まるきっかけを作った。
1851年、ウェールズのカーマーセンシャー州に生まれる。幼少期はほとんど教育を受けていなかったが、地元の私学校に通った後は進学を続け、チェルトナム女子大学の教師となる。さらにケンブリッジ大学のニューナム・カレッジに進むと同大学で女性では初めてのfirst-class honourとなる。1884年、同大学の初代女子師範部長に就任。1895年、女子師範部の建物が完成すると、ヒューズ・ホールと呼ばれる。1899年退職。1901年10月初めに来日。1902年7月までの約9ヶ月間滞在し、その間上記講演の他主に東京高等師範学校で10数回の講義を行った。その内容は本田増次郎と棚橋源太郎によって『ヒュース嬢教授法講義』として纏められた。帰国後はウェールズに戻りウェールズ大学の発展に尽力した他、第一次世界大戦では赤十字によるボランティア活動に従事している。1925年没。
[編集] 参考文献
- 木村吉次 「ミス・ヒュースによるスウェーデン式体操のすすめ」 『中京体育学論叢』 第14巻1号、1972年。
- 黒川章子 「第一次世界大戦におけるイギリス赤十字・ボランタリー救護部隊 -部隊の軍隊化と女性メンバーの活動-」 『立命館産業社会論集』 第38巻4号、2003年3月。