エリザベス・ギャスケル
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エリザベス・ギャスケル(Elizabeth Cleghorn Gaskell, 1810年9月29日 - 1865年11月12日)は、イギリスの小説家。
ユニテリアン派の牧師の娘としてロンドンのチェルシーに生まれたが、生後すぐに母を失った。父は娘をマンチェスター南部のナッツフォード(Knutsford)に住んでいた伯母に預けて養育してもらった。1832年に父と同じ宗派のマンチェスターの牧師(William Gaskell)と結婚したあと、彼女はよき妻として夫の仕事を助け、労働者階級の貧民救済事業などで尽力したが、多くの子供に恵まれた家庭生活は平和で幸福であった。1848年、唯一の男児を猩紅熱で失ったが、夫の勧めもあって悲嘆を紛らわすために、処女作『メアリ・バートン』を書いた。この小説は資本家たちから非難を受けたが、彼女は小説家としてたちまち有名になり、ディケンズやシャーロット・ブロンテたちとも知り合いになった。特に、ディケンズが主宰する雑誌には陸続と小説を寄稿した。聡明で善良な性格であったギャスケルは、ディケンズのような個性の強烈さには欠けたが、善意をもって社会問題を捉え、ペーソスとユーモアに満ちた文体によって、特に中流階級の読者を教化することができた。ジョルジュ・サンドは「ギャスケル夫人の作品を読めば、それだけいい人間になることができる」と言っている。
[編集] 主要作品
- 『メアリ・バートン』(Mary Barton, 1848)
- 『荒野の家』(The Moorland Cottage, 1850)
- 『クランフォード』(Cranford, 1851-52)
- 『ルース』(Ruth, 1853)
- 『北と南』(North and South , 1854-55)
- 『シャーロット・ブロンテの生涯』(The Life of Charlotte Bronte, 1857)
- 『レディー・ラドロウ』(My Lady Ludlow , 1858)
- 『ソファーを囲んで』(Round the Sofa , 1859)
- 『闇夜の仕事』(A Dark Night's Work , 1863)
- 『シルヴィアの恋人たち』(Sylvia's Lovers , 1863)
- 『従妹フィリス』(Cousin Phillis , 1863-64)
- 『妻たちと娘たち』(Wives and Daughters, 1864-65)