ウルグアイ・ラウンド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウルグアイ・ラウンド(Uruguay Round)(1986年 - 1995年)は、世界貿易上の障壁をなくし、貿易の自由化や多角的貿易を促進するために行なわれた通商交渉。 ウルグアイで1986年に開始宣言されたことからこの名がついた。
1944年のブレトン・ウッズ協定によって成立したGATT・IMF体制の下行なわれた通商交渉としては、ケネディ・ラウンド、東京ラウンドと並び有名である。
[編集] 概要
この協議では、サービス貿易や知的所有権の扱い方、農産物の自由化などについて交渉が行われた。中でも農業分野交渉が難航し、将来的に全ての農産物を関税化に移行させること、最低輸入義務(ミニマムアクセス)を決定するにとどまり、完全な自由化には至らなかった。
この協議によってGATTがWTOになる事が決定され、また貿易関連投資措置協定(TRIM)とサービス貿易一般協定(GATS)が成立した。これにより加盟国はパフォーマンス要求の一部を廃止することやサービス貿易の一形態であるサービス産業の現地進出に対して規制緩和することなどの義務を負うことになった。しかし、これらは先進国が想定する投資ルールのごく一部をカバーするにとどまっており、包括的な投資ルールの策定に向けた交渉の開始が期待されている。
サービス分野や知的財産権も交渉対象となった。
ウルグアイ・ラウンドの結果に落胆した発展途上国の反発により、当初新多角的貿易交渉(新ラウンド)立ち上げを計画した1999年11月のシアトル閣僚会議では、新ラウンドをスタートできなかった。
[編集] 関連項目
カテゴリ: 交易の歴史 | 経済関連のスタブ項目