ウォーカー・ギャリア
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ウォーカー・ギャリアタイプは、アニメ『戦闘メカ ザブングル』に登場する架空の兵器。
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
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[編集] 機体解説
ウォーカー・ギャリアはザブングルに次いで変形合体機能を持つウォーカーマシンである。頭・腕・背部ローターで構成されるギャリィ・ホバーと胴体および脚部で構成されるギャリィ・ウィルからなる。
ザブングル、ブラッカリィとならびザブングルタイプにカテゴライズされるが、ザブングルからいくつかのコンセプトは継承しているものの、外観や構造に大きな変更がみられるため、差別化してウォーカー・ギャリアタイプと呼ばれる事も少なくない。この点はブラッカリィに関しても同様である。
ザブングルタイプはブルーストーン掘削作業は軽視されており、戦闘用に特化しているのが特徴である。そのため、その数はけして多くはない。一部の資料では惑星ゾラが大異変に見舞われる以前の旧時代に存在した機動兵器をコピーしたものではないかという憶測も飛んでいるが、定かではない。イノセントはシビリアン達に完全な『兵器』を与える事で、彼らはどのような行動をするかを推し量るためにこれらの戦闘型ウォーカー・マシンを流通させたとみられる。
不整地が多いゾラにあって、バイク並の気軽さで用いられていた乗り物にホバギーがある。ギャリアはそのホバギーの設計理念を受け継いだメカであり、背中に装備した大型ローターを用いてジャンプ等を行なう。プロポーションも細身だったザブングルに比べかなりどっしりとして脚部の太さ、足底の大きさはザブングルの2倍程度になっている。ザブングル同様5本指のマニピュレーターを装備しているため、汎用の手持ち武器が使用できた。またオプション武装も存在している。燃費は向上しているようだ。変形合体の頻度が少なくなったザブングルがほぼ1人搭乗で運用されたのに対し、最終回まで合体機構が無傷で残ったため分離状態の2機それぞれにクルーが搭乗して運用することが多かった。ジロンとともにサンドラット団最年少のチルが乗り込む事が多かった。
[編集] 劇中の活躍
苦戦の末ブレーカーのカラス一家を倒したカーゴ一家であったが、母艦のアイアン・ギアーは大破しザブングルも一機失われてしまった。カラス一家が前代未聞のランドシップの前借りをした借用書を見付け、戦力の補充を必要とするカーゴ一家は自分達も前借りをしに(本来はブルーストーンとの交換)イノセントとの交易ポイントに向かう。しかしイノセントとの間で交戦状態に入り上納ポイントを襲撃、イノセントのエージェントとなったキッド・ホーラに支給予定だった本機を発見強奪し、3日の掟によりジロンの所有となり、最終回までジロンの愛機となる。
乗り換え直後に装備拡充の為に立ち寄った武器商人の小屋で見つけたバズーカをトロン・ミランと取り合いになり、肉弾戦およびトロンのカプリコタイプと果たし合いをして共に惨敗。しかしその直後にジロンは交戦状態に入り、加勢に入ったトロンによりそれを退けるもジロンをかばったトロンは戦死、形見として譲り受けたバズーカはギャリアの主兵装となった。
ソルトと合流してからのXポイントでの最終決戦においてはICBMを受け止め投げ返すという反則技を行なった(ちなみに、「スーパーロボット大戦α外伝」では、「ICBM投げ」として、武器のひとつになっている)。また、劇中で本機体はほとんどギャリアと略して呼ばれていた。
[編集] スペック
- 全高:18.6m
- 全装備重量:124.0t
- 出力:42400馬力
- 乗員(最大定員):2(4)名
- 固定武装:12.7m機関銃×2門 20mm機関砲×2門
- オプション武装:ザブングルに比べ専用オプションが少ない。
- 専用ライフル(火薬式・30mm実体弾)‥‥当時発売されていた、ガンダムのビームライフル型モデルガン(火薬式)にスコープとモノポッドを追加したデザイン。こちらもモデルガンとして発売され、商品化のために決定した形状と思われる。アニメ用設定を描いたのは出渕裕。
- 巨大バズーカ(ロケットランチャー)‥‥一般に売られている汎用品で、トロン・ミランの遺品。発射後、ロケット弾から四枚の翼が展開し、回転させ弾道を安定させる。
- ブーメラン・イディオム‥‥交易ポイントからの強奪品。ミサイルランチャー兼ブーメランとして使用できる、ギャリアの専用武装。本編では「ブーメラン・ランチャー」と呼ばれた。
- 5連装ミサイルランチャー‥‥肩に取り付ける。ラッチがギャリアの肩幅に合わせてある。専用武装。変形後も使用可能。玩具用に設定され、本編では未使用。
[編集] こぼれ話
- 基本的な機体構成のラフ設定は大河原邦男によるが、富野監督により合体変形ギミックなどが修正され一度クリーンアップされるが、同時期のコンバットアーマー寄りなデザインでもあり、湖川友謙により大幅な修正が加えられ、決定稿となった。
- 足の裏には不整地での安定のための突起(スパイク)がある。設定書では、不安定な面への着地のみ出る、となっているが三面図に書かれているために当時のスポンサーの玩具などにしっかりモールドされてしまっている。
- 同じ富野由悠季監督作品「機動戦士Ζガンダム」第十三話「シャトル発進」にハヤト・コバヤシが館長を務める戦争博物館の展示品のひとつとして、ガンキャノンなどと共にギャリアに良く似た機体(完全に同じデザインではない)がワンカットのみ登場するというスタッフのお遊びがある。資料ムック本では連邦軍の試作モビルスーツではないかと書かれているが、真相は定かではない。「ザブングル」と「ガンダム」の世界が直接繋がっているのか否か・・・はファンの想像力と判断に委ねられる。
- 放送当時、バンダイから発売されていた「ザブングル」プラモデルシリーズは1/144・1/100の並行ラインナップだったが、ギャリアは後半の主役メカでありながら諸事情で1/144のみの発売となり、1/100発売中止の報に当時非難が殺到した(詳細はウォーカーマシン参照)。後に同スケールでペーパーモデルやソフビキットも発売されたが、当時からのファンにとってトラウマとも言える事件を清算すべく、2006年9月に第一弾レイズナーが発売されたバンダイ「リアルロボットレボリューション」シリーズにおいて、開発スタッフから1/100ギャリアの製品化が示唆されている。