イロワケイルカ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
イロワケイルカ | ||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
イロワケイルカ |
||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||
イロワケイルカ | ||||||||||||||||||
学名 | ||||||||||||||||||
Cephalorhynchus commersonii Lacépède, 1804 |
||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||
Commerson's Dolphin |
イロワケイルカ(色分海豚、Cephalorhynchus commersonii)はクジラ目ハクジラ亜目マイルカ科イロワケイルカ属(セッパリイルカ属とも)に属するイルカである。見た目の印象がジャイアントパンダに似ているため、パンダイルカとも呼ばれる。
南アメリカ南端のフエゴ島およびフォークランド諸島周辺の海域、および、インド洋南部のケルゲレン諸島周辺の海域、二つの海域に棲息する。
種小名のcommersonii、および、英名のCommerson's Dolphinはフランスの生物学者であるen:Commerçonに由来する。
目次 |
[編集] 身体
イロワケイルカの模様は非常に特徴的である。頭部、胸びれ、背びれ、尾びれは黒く、喉と胴の大部分は白い。黒白2色の境界は非常にはっきりしている。体型は寸詰まり気味であり、1.5m程に成長する。外見はネズミイルカに似ているが、行動(後述)は他のマイルカ科のイルカに似ている。背びれの形状は、頭側は直線的で、尾側は凹型であるが鎌のような形状ではない。尾びれの中央には切れ込みがある。口吻はほとんどない。
雌雄ともに6年から9年で性成熟する。繁殖期は春から夏の間であり、妊娠期間は11~12ヶ月である。飼育下での最長飼育記録は約19年であるが、寿命はまだ正確にはわかっていない。
[編集] 生息数と分布
イロワケイルカの生息域は2箇所である。一つはアルゼンチンの入り江、マゼラン海峡、フォークランド諸島などの南アメリカ南端の海域である。もう一つはその海域から8,000kmも東方のインド洋南部のケルゲレン諸島周辺であり、これは1950年代に発見されている。浅瀬を好む。
全生息数は不明であるが、生息域においては良く見られる。1984年の調査では、マゼラン海峡に3,400頭が生息することが報告されている。
[編集] 行動
イロワケイルカは非常に活発に行動する。海面を高速で泳いだり、ジャンプしたりする様子が頻繁に観察される。海岸の近くでは、波乗りをするかのような回転などの行動も見られる。高速で移動する船を追いかけたりもする。
主食は近海や遠洋の魚類やイカである。南米では甲殻類を食べる群もある。
[編集] 保護
イロワケイルカはIUCNのレッドリストでは「情報不足」 (DD : Data Deficient) に分類されている。海岸に近づく個体が刺し網による混獲の被害に遭うことは珍しいことではない。1970年代から1980年代にかけて、アルゼンチンやチリではカニ漁の餌としてイロワケイルカが使われたこともあったが、近年では少なくなっている。
[編集] 日本で見られる施設
[編集] 参考文献
- National Audubon Society: Guide to Marine Mammals of the World ISBN 0375411410
- Encyclopedia of Marine Mammals ISBN 0125513402
[編集] 外部リンク
- 海棲哺乳類図鑑「イロワケイルカ」 国立科学博物館 動物研究部
カテゴリ: 生物分類表使用 | イルカ | 動物関連のスタブ項目