アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
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アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック(Henri de Toulouse-Lautrec, 1864年11月24日 - 1901年9月9日)は、19世紀のフランスの画家。
南仏のアルビで生まれる。ロートレックの生家は、フランスの名家であり、伯爵家である。祖先はカルル大帝の時代までさかのぼることができる。父のアルフォンス伯は、奇妙な服装をするなど、変わり者で有名であった。
ロートレックは、下半身が十分に発育しなかった。幼年期に、二度の骨折するなど、骨に問題があったと考えられる。
絵画モデルであった、マリー=クレマンチーヌ・ヴァラドン(後のシュザンヌ・ヴァラドン)のデッサンの才能を高く評価し、彼女が画家となるきっかけを作った。彼女をシュザンヌと呼び始めたのもロートレックである。
画家自身が(当時まだ差別されていた)身体障害者だったこともあってか、娼婦、踊り子のような夜の世界の女たちに共感。パリの「ムーラン・ルージュ」をはじめとしたダンスホール、酒場などに入り浸り、デカダンな生活を送った。そして、彼女らを愛情のこもった筆致で描いた。作品には「ムーラン・ルージュ」などのポスターの名作も多く、ポスターを芸術の域にまで高めた功績でも、美術史上に特筆されるべき画家である。
ロートレックを扱った映画としては1999年のフランス映画「葡萄酒色の人生」がある。
[編集] 代表作
- ムーラン・ルージュにて(1892-95)(シカゴ美術館)
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