アル・カポネ
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アルフォンス・カポネ(Alphonse Gabriel Capone, 1899年1月17日 - 1947年1月25日)は、アメリカ・シカゴの暗黒街のボス。自称「家具販売業者」。典型的なギャングスター。身長179cmであり当時としては大柄であった。カポネ家の四男。家族は妻のメエと息子のソニー
イタリア・ナポリから来た移民テレジーナ・ライオーラとガブリエーレ・カポネの子としてアメリカ・ブルックリンで生まれ成長する。この時、ニューヨークのギャングのボスフランキー・イェールに認められて暗黒街に入る。禁酒法時代、ジョニー・トーリオとシカゴで密造酒製造・販売をして組織を拡大していった。
1925年、トーリオが敵対者から襲われて引退すると、縄張りを受け継いでボスになった。カポネは密造酒製造・販売のほか売春・賭博・恐喝など犯罪組織の統合近代化、さらにビックビル・トンプソン(シカゴ市長)をはじめ、政治家、警察などの官憲を買収して勢力の拡大と安泰化を図った。
その陽気な性格からマスコミにも取り上げられることが多く、自らも生活貧窮者に対する食事の無料給付の慈善事業を行うなど大衆の支持獲得に腐心した。
1929年2月14日、シカゴで勢力を張り合っていたバッグス・モラン一味を残忍な手段で壊滅させると(聖バレンタインデーの虐殺)、政府はカポネ一味の取締に本腰を上げた。
1931年、エリオット・ネスに率いられた特別捜査チームは脱税容疑でカポネを摘発し、懲役11年の判決を言い渡されたカポネはアルカトラズ刑務所に収監された
- 1957年にエリオット・ネスの活躍を描いて発行された「アンタッチャブル」は、1950年代後半にTVドラマ化され人気を博したが内容のほとんどはドラマシリーズ用のフィクションである(テレビドラマや映画の中でネスは家族おもいの家庭人だが実際は女好きでアル中の目立ちたがり屋だった)。
- なお、「アンタッチャブル」は、1950年代後半~1960年代初頭にかけて放送されたテレビドラマ版、1987年に製作・公開されて大ヒットしたリメイク映画版(ブライアン・デ・パルマ監督作品。主演:ケビン・コスナー。カポネ役:ロバート・デニーロ)の他に、1990年代にもテレビドラマ化されている(1990年代のリメイクテレビドラマ版は、日本では、『新アンタッチャブル』の題名でテレビ放送された)。
カポネは刑務所で模範囚として振る舞い7年で仮釈放された。1939年にフロリダの別荘に移り住んだが、1947年1月25日に死亡するまでは一度もシカゴに戻らなかった。晩年は梅毒による精神病を病んでいたという。
ちなみに英語での発音はカポネではなくカポーン。
[編集] アルカポネ一味の稼ぎ・アルカポネの金の使い方
1928年のカポネ一味の稼ぎ | |
賭博 | 2500万ドル |
ホールと売春のピンはね | 1000万ドル |
ビールとアルコール | 7500万ドル |
その他 | 1000万ドル |
合計 | 1億2000万ドル |
1928年のアメリカ政府予算 | 29億6100万ドル |
1930年のアル・カポネの金の使い方 | |
総資産(見積もり) | 5000万ドル |
フロリダの別荘(時価) | 50万ドル |
身に着けているダイヤ | 5万ドル |
車 | 3万ドル |
受付ガールへのチップ | 25ドル |
給仕への心付け | 100ドル |
出典:「アンタッチャブル」 P12,154 エリオット・ネス著 早川書房
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