アブラハムの宗教
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アブラハムの宗教(アブラハムのしゅうきょう) とは、聖書の預言者アブラハムの宗教的伝統を受け継ぐと称するユダヤ教、キリスト教、イスラム教の三宗教のことである。これらの宗教を指して「砂漠の一神教」と呼ぶ場合もある。神の言葉をまとめたものであるとされる聖典(聖書やクルアーン(コーラン))に重きを置く。バハーイー教のような三宗教から派生した宗教を含める場合もある。2006年現在アブラハムの宗教の信者数は約34億人と推計されている(内キリスト教約21億人、イスラム教約13億人、ユダヤ教約1500万人)。
聖書によると、アブラハムには二人の息子、イシュマエルとイサクがいたという。イシュマエルはアブラハムの妻サラの奴隷ハガルが生んだ子、イサクはアブラハムの妻サラが生んだ子である。ユダヤ人はイサクの息子ヤコブ (イサクの子)の子孫であるといい、イスラム教のコーランはアラブ人をイシュマエルの子であるとする。聖書では、ヤコブのまたの名がイスラエルであることから、ユダヤ人は「イスラエルの民」と呼ばれる。ユダヤ教とはシナイ山で神と預言者モーゼの率いるイスラエルの民との間に結ばれた契約を元とする宗教である。イスラエルの民の神との契約を記した書が聖書であり、キリスト教では旧約聖書と呼ばれる。
キリスト教はナザレのイエスを神の子としてメシアと認め、イエス以後の神との契約と歴史を記した新約聖書を旧約聖書とともに正典(啓典)とする。イスラム教はイエスとモーゼらユダヤの預言者たちを神によって選び出され(召命され)神の言葉を伝える使命を帯びた者であると認め、ムハンマドを最高最後の預言者であるとみなす。イスラム教は、ムハンマドに下された啓示をまとめたコーラン(クルアーン)がもっとも忠実に神の言葉を伝える啓典であると考えるから、モーセ五書、詩篇、インジール(福音書)を啓典と認めはしても、これに重きを置くことはない。イスラム教による伝統的な呼び方ではユダヤ教およびキリスト教徒を「啓典の民」と呼んだ。