アデロバシレウス
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アデロバシレウス(Adelobasileus cromptoni)は、現在見つかっているなかで最古の哺乳類であるといわれる化石種の哺乳類。名前は「目立たない王」の意。アメリカ・テキサス州で発見された。
三畳紀後期の2億2500万年前に生息。それまで最古の哺乳類であった2億1000万年前のモルガヌコドンより、さらに1500万年さかのぼることになった。1989年に糞化石の中から頭骨が発見されている。発見された頭骨の大きさは長さ1.5センチ、幅も1センチに満たない小さなもので(頭骨の後部は欠損している)、推測される大きさは10センチから15センチ、現在のトガリネズミのような外見であったと思われる。
この頭骨には祖先となった獣弓類との類似点も多く認められるが、眼窩に視神経孔がある、蝸牛の付着点である岬角があるなど獣弓類にはなく、哺乳類のみに見られる特徴がある。生態についてはよく分かっていない部分もあるが、おそらくは昆虫を食べていたのであろうと推測される。