アクトレイザー
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アクトレイザー | |
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ジャンル | アクションRPG |
対応機種 | スーパーファミコン、Vアプリ |
開発元 | クインテット |
発売元 | エニックス |
人数 | 1人 |
メディア | [SFC]ロムカセット |
発売日 | [SFC]1990年12月26日 [V]2003年11月12日 |
売上本数 | 国内40万本 |
『アクトレイザー』(ActRaizer)は、エニックス(現スクウェア・エニックス)が発売、クインテットが開発したアクションロールプレイングゲーム。
目次 |
[編集] 概要
1990年12月16日にスーパーファミコン(以下、SFC)のソフトとして発売された。本体発売後、1ヶ月も経過しないうちに発売開始されたSFC最初期のソフトの1つである。エニックスとしては初のSFCソフトである。
アクションゲームとシミュレーションゲームの複合というアイデアの斬新さに加え、サウンドやグラフィック、ゲームシステムのどれもが非常に秀逸で、SFC発売から間もなく登場したにも関わらず現在でも良作として評価される作品である。
[編集] ゲーム内容
地上の6つの地域を悪魔の手から取り戻し、魔王を倒すのが目的である。地域ごとに以下の3つのパートからなる。
クリエイションモードでは天使を操作して、アクションモードでは石像に宿った神を操作する。
- アクションモード1 - 横スクロールのアクションゲーム部分。その地域を悪魔の手から取り戻し、人が住めるようにするために戦う。攻撃手段は剣。物語を進めると魔法も使えるようになる。ライフ制で、全てのライフを失うと残機が1減る。ステージの終わりには中ボスがいる。中ボスを倒すと、その地域を解放したことになり、クリエイションモードへと進むことができる。
- クリエイションモード - アクションモード1をクリアすると神殿に男女2人の人間が創造される。土地を開発して人口を増やし、魔物の巣を封印させればクリアとなる。土地は、木が生い茂っていたり乾燥して砂漠化しているなど普通に開発することができない状態になっていることが多いため、神技を使って気象を操作する(稲妻を落として森を焼き払い整地する、雨を降らして砂漠を緑地化するなど)ことで人が住める土地を増やしていく。開発を行っている間にも、悪魔が家や田畑を焼き、人をさらったりするので、天使を操作して悪魔を撃退していかなければならない。また、人は生活の中で問題を発生させるので、それも解決していかなければならない。ある程度人口が増えたら人を各土地に4つずつある魔物の巣へと導き、魔物と戦わせて巣を封印させる。4つの魔物の巣を封印することによって、アクションモード2へと進むことができるようになる。なお、世界の総人口が増えることでプレイヤーのレベルが上がりアクションモードでのライフが増加する。また、神の能力が上がるアイテムや新しい魔法を入手するイベントも起こる。
- アクションモード2 - シミュレーションにおいて魔物の巣を全て封じると、ボスの居城が出現する。その地域のボスを倒し、人々の心から魔物の脅威を完全に消すための戦いとなる。ちなみにアクションモード2のボスであるサタンの六匹の僕は、カサンドラの「砂の王」ファラオ以外はサタンの分身である。
- ミノタウロス:サタンの夢
- ウルフ・ツェッペリン:サタンの夜の翼
- 火炎車:サタンのやけつく吐息
- カーリア:サタンの陽根
- フロストワイヴァーン:サタンの凍てついた氷の瞳
注意 : 以降に、作品の結末など核心部分が記述されています。
[編集] ストーリー
昔、魔王サタンの力により天空の孤島に追放された神が目覚めるが、地上は悪魔がはびこり人間が住めない世界になっていた。サタンに立ち向かい世界を再び平和にするためには人々の信仰心が必要。そのため人々の住める世界をつくり人口を増やし、サタンを倒し世界に平和を取り戻すために戦う。
[編集] 地名
- フィルモア
- 物語のスタートとなる森林に覆われた土地。
- ブラッドプール
- その名の通り血のように赤い湖がある土地。
- カサンドラ
- 一面を砂漠で覆われた灼熱の土地。全ての大陸で最も広く、最終的に人口が最も多い地域となる。
- アイトス
- 活火山がそびえ立つ土地。
- マラーナ
- 鳥の形をした島が隣接する土地。
- ノースウォール
- 一面が厚い氷壁で覆われた土地。
- デスヘイム
- 魔王サタンが潜む島。各地の悪魔を撃破すると浮上する。強化して復活した各ステージのアクションステージ2のボスが次々と襲い掛かり、その先には魔王サタンが待ち受ける。
[編集] 音楽
古代祐三が担当したサウンドに関しては2006年現在の時点でもクオリティは高い。音のリアリティはもちろんのこと、曲の組み立てや楽器の選択まで、オーケストラを髣髴させるという評価がある。当時ファイナルファンタジーIVを開発していたスクウェアが、アクトレイザーの曲を聴き音のレベルの差に愕然、開発末期にもかかわらず音源ドライバーから作り直したという逸話もある。
特にフィルモアのアクション面で流れる曲は非常に評価が高く、またゲーム途中で手に入る「すてきなおんがく」というアイテムで人々の心を癒し、戦争を沈めるイベントがあるが、その時に流れるサウンドがこの上もなく美しい曲なので、ゲーム内に登場する人々はもちろん、大半のプレイヤーの心をも魅了した。
[編集] 続編
1993年10月29日に、SFC用ソフトとして本作の続編である『アクトレイザー2 沈黙の聖戦』が発売されたが、海外向けのゲームとして製作されたため、好評であったクリエイションモードを完全に削除し、難易度の高いアクション専用ゲームとなった。クリエイションモードが無いことや、国内版では難易度を調整したもののそれでもアクションの難易度が高すぎることが不評であった。前作では比較的ほのぼのした雰囲気のゲームであったが、今作では宗教色が強く、部下である天使の口調も人間に対し妙に高圧的なところがあり、ファンの反感を買った。結局売り上げも前作が(ローンチタイトルに近い存在だったとはいえ)国内で40万本出荷されたのに対し、2は国内で4万本と惨憺たるものになってしまった。欧州では4万本、北米では10万本の出荷を記録している。