アウロラ
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アウロラ(Aurōra)は、ローマ神話の曙の女神の名。
父はティタン神族の太陽神ヒュペリオン。母は同じくティタン族のテイア(ティアとも)。兄は太陽神ヘリオス。姉は月神セレネ。
バラ色の指を持ち、サフラン(鮮やかな黄色)の衣をまとった美しい女神で、ラムポス(光)とパエトーン(輝き)という2頭の馬がひく戦車にのり、兄である太陽の先駆けとして花を撒きながら大空を走り、天空の門を開くとされる。
ボレアース(北風)、エウロス(東風)、ノトス(南風)、ゼピュロス(西風)の4柱の風神と、明けの明星などいくつかの星の母親となった。
恋多き女としても知られ、狩人オリオンやアッティカの王子ケファロスなどの美男を誘拐してきては恋人にしていた。
夫はトロイア王プリアモスの兄弟ティトノス(Tithonus、ティトヌスとも)。息子はエチオピアの王となったメムノン。メムノンがトロイア戦争でアキレウスに討たれた際に彼女が流した涙が朝露であるとされる。
知性の光、創造性の光が到来する時のシンボル。
その名を冠した小惑星アウロラもある。
転じて、同じ語がオーロラのことを指すようにもなった。