やかん
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やかん(薬鑵・薬缶)は、湯沸かしに用いられる、主に土瓶形の道具である。最近では英語にならって「ケトル(Teakettleから)」と呼ばれることもある。
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[編集] 概要
やかんは銅やアルミニウム、真鍮等の素材で作られており、直接火などの熱源にかけて湯沸しに用いる。大きさは用途によって様々であるが、一般に家庭用として用いられているものは大きくても2リットル程度のものが多いようである。単に湯沸しの用途のみならず、冬場には水を入れてストーブの上に置くことで、部屋の加湿器としても利用されている。
[編集] 歴史
鎌倉時代にはすでに登場しているが、元々は薬(漢方薬)を煮出すのに利用されていたため薬鑵(やっかん)と呼ばれていた(缶は鑵の代用字)。湯沸かしに使われた時代は明確なことは不明であるが、記録に残っているのは後世の江戸時代になってからである。近代でも日用生活品の一つとして用いられてきたが、現在では電気ポットが多く使われているため利用されなくなってきている。業務用途では今だに健在で、給食等の配膳で大量のお茶を沸かす必要がある為に、大型のものを使うケースが目立つ。
[編集] デザイン
一般的に土瓶型であり、全体を持ち上げ、沸かした湯茶を注ぐための取っ手と、注ぎ口があるのが特徴である。注ぎ口には笛の付いた蓋がついていることもある。これは火にかけたまま放置してしまうことを防止するため、内部の水が沸騰して発生する水蒸気が注ぎ口から噴出すことを利用して、笛が鳴ることで沸騰を知らせるためのものである。やかんの蓋の小さな穴の名前 は???である。 形状が似た道具に急須があるが、材質や用途は異なる。
[編集] 電気ケトル
最近はヨーロッパで従来から使われていた電気ケトルが日本に再上陸している。これは電気ポットとは異なり、お湯を沸かすだけで保温の機能はない。近年の製造は中国製が多い。
[編集] 関連項目
- 鉄瓶(鉄やかん)