ねぶた
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ねぶた・ねぷたは、東北地方、特に青森県の各地で夏に行われる祭りである。
大勢の市民が「ヤーヤドー」、「ラッセラー」、「ヤッテマレ」等の掛け声とともに、張り子の人形型・武者絵が描かれた扇型の山車を引いて街を練り歩く。青森市の青森ねぶた、弘前市の弘前ねぷた、五所川原市の五所川原立佞武多などが有名である。黒石市の黒石ねぷたは、合同運行時には県内最大である70台以上のねぷたが一同に会する。
「ねぶた」の語源には諸説あるが、「眠(ねむ)たし」に由来するという説が有力である。秋の収穫期を前にして、労働の妨げとなる睡気を祓うために七夕の行事として行われた「眠り流し」が現在の「ねぶた」になったというものである。
他に、坂上田村麻呂が征夷大将軍として東北に遠征した際に、大灯籠や笛・太鼓で敵をおびき寄せたのが起源とする説や、津軽藩の藩祖・津軽為信がお盆の供養として大灯籠を作って京の市中を練り歩いたのに始まるとする説もあるが、前者は史実に合わず(田村麻呂は青森まで来ていない)、後者も当時の記録にそのような記述はない。
例年8月初旬に行われる。全国的に有名なのは、「凱旋」を象徴する青森市の青森ねぶたと、それに対比される「出陣」の弘前ねぷたである。これらは、1980年に重要無形文化財に指定されている。ほかにも、黒石市の黒石ねぷたをはじめとして、津軽地区の各地で行われる。
なお、青森は「nebuta」なのに対し、弘前、黒石、五所川原立佞武多は、「neputa」と発音が異なる。